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2008年03月16日(日) |
チベット問題の基礎知識(BBC) |
◆何故、チベット自治区は中国の中央政府に反抗するのか?
中国には55の少数民族が各地に分布している。その合計は1億人で、中国全人口の8%に達する。
人口で言えば最大なのは、チワン族(1,500万人)で、100万人以上の人口を擁する少数民族は、18に上る。
大半の少数民族は、中央の慰撫政策や長年にわたる漢族との同化によって政治的には漢族・中央に従順、非抵抗的である。
抵抗が激しいのは、今回問題のチベット族(ラマ教)とウイグル族(イスラム教)である。
チベット族と中国の中央政府に摩擦が起きるのは歴史認識が異なるためである。
中央政府は、チベットは13世紀から公式に中国の一部だったのだから、現在も北京(中央政府)の統治下に置かれるべきだ、
という。
一方、チベット人は、ヒマラヤ山脈の周囲は何世紀もの間独立していたのであり、中国人によるチベット支配は決して、
恒常的なものではなく、例えば、1949年に中国共産党が中国を支配する前は、チベットは完全に独立していた、
と主張するのである。そして今また、チベット族は独立を取り返そうと蜂起したのである。
◆何が今回の暴動のきっかけとなったのか?
今回の騒動が起きたのは3月10日だが、49年前、1959年の正にこの日に、ラサで大規模な民族運動が発生したのである。
また、経済的な要因もある。チベット自治区には中国から大量の移民が流れこんでいる。このため、チベット人の雇用機会が
減少していることに、チベット族は怒っている。又、彼らは中国東部の経済的発展からは取り残されているのに、インフレの
煽りだけを受けている、という不公平感にも不満を持っている。
◆チベット族と中国との確執は解消されるであろうか?
中国政府は、インドにいるチベットの亡命政権と、何年にも亘って、事務レベルの協議を行っているが、
上手く話が進んでいるとは言い難い状況だ。また、今後もあまり変化はないだろう。両者間の溝は余りに深い。
中国側によれば、亡命中のチベット族は、チベットが中国から切り離されることを望んでおり、ダライ・ラマは、
現在のチベット自治区の完全な「自治権」を求めている。
◆チベット族による抵抗運動は、エスカレートするだろうか?
多分、そうなるだろう。デモが起きた本質的な問題(チベット族の独立問題)が解決されていないのであるから、
緊張状態は続くだろう。
また、今夏、中国でオリンピックが開催される。中国領の内外にいる(チベット独立)運動家たちは、
オリンピックを利用して、チベット問題を世界に喧伝しようとする可能性が高い。
とりあえず注目されるのは、数週間以内にチベットを通過する予定になっている、「聖火」がどう扱われるか、だ。
(原文:http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7299221.stm 但し、筆者が加筆した部分があります。)
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