8月も半ばを過ぎ、夏休みも夏そのものも、もうすぐオシマイ。この夏は元気過ぎる娘を楽しませることに終始していて、好きな読書も腹6分目。日中は目いっぱい活動して、夜になると浜に打ち上げられた魚のように醜く寝転がるばかりだった。
……とは言うものの。この夏は自分の中で眠っていた物を発掘することの多い夏だった。
たとえば、ものすごくフェミニンな服を着ること。
たとえば、陰気な映画を見ること。
たとえば、お芝居(DVD)を観ること。
娘を産んでから、自分の中にある色々な物を閉じ込めて暮らしてきた。「子どもや家族のために犠牲になっていた」という意識はない。それらは自分がやるべき事に優先順位をつけたとき、意外と下位に属していたので捨て置くしかなかっただけなのだ。で……あまり長いこと放置していたので、自分の中にそう言うものがあったことさえ忘れかけていた。
発掘のキッカケをくれたのは夫だ。洋服やお芝居のDVDを購入する時に背中を押してくれたり、お盆休みに休日をくれたり(だから陰気な映画を観に行けた)。夫には心から感謝している。
人間は好きなことばかりして生きてはいけない。常に「やるべきこと」と「やりたいこと」を天秤にかけている。「やるべきこと」の比重が重くなればなるほど「やりたいこと」は捨て置かれてしまうのだけど、たまには取り上げてやらなくちゃなぁ……と思う。この夏、色々としんどい事も多かったけれど、捨て置いていた事を発掘したことで、毎日の張りが出たような気がしている。きっと、傍目から見たら何も変わっていないのだろうけれど、私自身の内側では、ものすごく大きな変化があった。
この夏は、そういう意味で良い夏だったと思う。私もいつか「やりたいこと」を重視した暮らしが出来る日が来るとは思うけれど、今はまだ「やるべきこと」が多過ぎる。しかし「やるべきこと」が多いという現実は幸せだってことを胆にめいじておきたいと思う。明日も頑張ろう……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。