お盆は父の遺骨を納めているお寺へお参りに行ってきた。
実家にはお墓が無く、父の遺骨は父の希望で「骨仏」を作ってくれるお寺へ納めている。「骨仏」とは、そのお寺に納骨した人の骨を集めて作る仏像のこと。父の遺骨は顔も知らない沢山の人の遺骨と共にに仏像になっている。
昨年の秋に父の遺骨で作った仏像の開眼式があったのだけど、その時は娘を妊娠していてしかも調子が良くなかったので、開眼式には行かず終い。1年近く経ってやっとお参りすることになった。
「お父さんのお参りに行こう」と言い出したのは夫だ。
私はいまいち仏事ごとに熱心ではない。お寺や仏壇の前やお墓で手を合わせることはあっても、どうもそこに価値を見いだせないのだ。『千の風になって』の歌詞ではないけれど、そこに彼らはいないと思うので。
でも、今回は行って良かったと思った。
お盆にお参りをするは娘のために必要かも知れないなぁ…と漠然と思った。娘が成長していく過程で、そういう仏事ごとは経験していた方がいい。日本で生活していくのなら身に付けていた方が良い作法や常識という物があると思うのだけど、お盆参りもその一環。思えば私も子供の頃からお盆には、父方と母方のお参りへ行っていた。子供心には実にツマラナイ行事だったけれど、人生には楽しくなくてもやらなければいけない事がある…ってことを、子供なりに理解していたように思う。
夫と娘と私と3人。骨仏の前で手を合わせた。
父の骨で作った骨仏は新しい分だけ白かったけれど、いつしか他の骨仏のように変色していくのだろう。「結婚したら女の子の孫を産んでくれよ」と言っていた父は孫娘の顔を見ることなく死んでしまったけれど、本当にあの世があるのなら、きっと喜んでくれていると思う。
お正月にはおせち料理でお祝をしてお盆にはお参りをして……。夫と結婚して2年半。だんだん「家族」の体裁が整ってきたように思う。こういう事を積み重ねて家族になっていくのだなぁ……なんて事を思いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。