娘生後20日。区切りの良い数字を通過する時って訳も無く嬉しい。
今日は夫を送り出そうと娘を抱いて玄関に立ったら、お隣の奥さんと斜め向いの奥さんと顔を会わせた。なんとなくの流れでそのまま外に出て、娘はご近所デビューを果たした。「赤ちゃんを外に連れ出すのは1ヶ月たってから」となっているけれど、まぁ良いだろう。お隣と斜め向いの奥さんは、それぞれ男の子2人、3人のお母さんなので「女の子羨ましいわぁ。可愛いわねぇ」と言われた。社交辞令と分かっていても嬉しくなるのが親心。それが正しい親馬鹿道。
今日で退院してから……もとい、母乳部を退部して2週間。母乳育児は順調に進んでいる。むしろ母乳の生産は過剰気味。近い将来、娘が成長して母乳を飲む量が増えてくるとどうなるかは分からないけれど、今は娘が飲む量よりも母乳の生産の方が多いので、毎日せっせと絞っては冷凍したり捨てたりしている。
来週は私の検診があり、乙女な母に娘を見てもらうことになっているので、その時のために母乳を冷凍して置いているのだけど、母乳の冷凍パックを作っている私を見て「なんだか妙に楽しそうなんだけど」と夫。これが実際楽しいのだ。「こんなに採取出来たぞ」というようなマニアックな喜びがある。「これは、耳掃除をしていて大きな耳垢を取った時の喜びに似てるの?」と夫が言うので、それに近いと答えておいた。自分の身体から、乳が迸っているなんて、いまだ不思議で仕方が無い。
ただ捨てるのは勿体無いような気がするので、せっかくなので味見をしてみたが、決して美味しい物ではなかった。人間の乳は牛乳よりもはるかに薄くて、ほんのり甘いい。こんなに不味い物を美味しそうに飲んでくれるなんて、娘はなんて愛いヤツなんだろう。
母乳育児をしていて最も楽しいのは娘に乳を含ませている時だが、次に楽しいのは毎日の食事が美味し過ぎるって事だ。食べる物が美味し過ぎて困るくらい。そしてかつてない食欲。食べ盛りの思春期の頃よりもよく食べているのに、体重は少しずつ減っているのだ。それだけのエネルギーを母乳に持っていかれるのだろう。
私は今、人生で1番ご飯が美味しい時期にいるのかも知れない。
そんな訳で「よく食べるなぁ」と半ば呆然としている夫を横目に、毎日もりもり食事をしている。食べても食べても猛烈にお腹が空くなんて初めての経験に戸惑いながらも、食事が美味しい幸せを日々満喫している。今日のオヤツも夕食も美味しくいただけそうだなぁ……って事で今日の日記はこれにてオシマイ。