2011年05月26日(木) |
東日本大震災 被災地ガイド |
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県の第三セクター三陸鉄道が、被災地視察のガイドを始めた。会社存続の危機にひねり出した窮余の策。社内外には「震災でカネを稼ぐなんて」との声もあるが、地元を熟知した社員の案内で被災の実情を訴えている、と言うニュース。
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私は、これは良いことだと思う。
書くことを躊躇していたが、 5月の連休を利用して何万人もが東北入りしたボランティアの方々へも、 余裕があれば、そうしたサービスを提供し、金をとればよいと思っていた。
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今後の復興を考えると、被災の生々しい状況を、 地域外の人にも、でき得るならば多くの人に、 実際に見て、実情を共有してもらった方が良い。
また、もうひとつ、これは大事なことだが、 不躾な物見遊山の訪問者もいるだろうから、 むしろ「ガイド」という名目で、しっかり誘導した方がよい。 避難している地域住民のプライバシーと尊厳を守ることができる。
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今、世界中で、東北地方の日本海側でしか見られない、高付加価値な 地球のダイナミックな地殻変動の痕跡がある。これは資源だ。 また、命からがら生き延びた人達の生の証言は、貴重な財産である。
ガイドは元手がかからない「人に見せる」という仕事だ。 さらに言えば、大変な皮肉ではあるが、被災した地域の人にしか 「その時の状況を再現して語る」ことはできない。独占市場である。 大学の先生に参画ねがえば、学術的な付加価値をつけることもできる。
都内の陳腐なビジネスセミナーでも1日数万円ぐらいとることを考えたら、 1日5万円ぐらい料金をとっても高くない。
ついでに、ツアーに少しぐらいボランティア活動も含めれば、 利用者も良心を痛めることなく、現地の状況を知りたいという欲求を満たすことができるだろう。
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