浅間日記

2004年05月26日(水) 学校の話

NHKクローズアップ現代で、登校拒否児に対する
岐阜県可児市の取り組み。
現在、登校拒否と呼ばれる子どもは13万人だそうである。
学校へ行かないこと以上に、引きこもり現象へ移行しがちである、
ということが問題になっているそうだ。

13万人もいるのだから、もう「登校拒否児」などと
個人を指し示す言葉でなく、「登校拒否現象」と
言ったらどうかと思うけれど、
学校教育そのものを否定するような言い回しは
回避されるのかもしれない。

学校に子どもが行かないのは、行かない子どもに問題があり、
交通事故は、どんなに都市計画や道路行政がヘボイ街においても、
運転者にのみ罪がある。



木材生産などの利用を目的にして、
人工的に仕立てられた森林というのは、
まあ大半が、同じ時に同じ苗木を同じ場所に植えるため、
当然ながら、みな同じ年の樹木で構成されている。
同じぐらいの高さ、同じぐらいの太さ。同じぐらいの年齢。
これを単層林という。

そして当然ながら、人工林に対して天然林というのは
年齢構成が多様であり、
100年生きた木と5年足らずの稚樹が共存していたりする。

こういう森林で生存する生物の多様性は、
人工的に仕立てられた森林よりも遥かに優れている。
そして、そういう森林づくりが、今重視されているのである。

何をくどくど言おうとしているかというと、
学校というところは、単層林なのである。
それどころか、経済活動以外の部分で、今の社会は
まったくの単層林社会なのである。
年齢別に施設があり、
平日の日中は完全にその中に閉じ込めてしまう。

登校拒否という現象は、
こういう単層社会で日常を過ごすことの
息苦しさや生きにくさに対する
ストレートな反応なのだと思う。

それに気付いてしまった登校拒否の子どもは、
言葉巧みに誘われて学校に戻るよりも、
保育園や宅老所へボランティアに行ったり、
丸の内のオフィスで働いたほうがいい、と私は思う。
そうして、人生を救われてほしいと思う。

放送室でランチキ騒ぎを起こした中学生も、
ある意味単層林社会の産物なのだろう。
ただし、あまり同情の余地はないが。


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