源流から河口に至る迄の、 一筋の間に。
幾度、 衣を纏う事が在るのだろうか。
無論。
其の衣が必要不可欠な刻も、 在れば。
一糸纏わぬ自身の芯を、 正確に、 見極められる事も。
稀なのだけれど。
其れでも。
好まざる衣を、 不必要に、 態と纏う意義など。
其処には無い。
何かを感知して。
「前の私に戻ったら嫌いになる?」
あの子は、 そう口に出し。
何かを察知して。
「嫌いには成らないけれど。」 「戻ったら駄目。」
「ふふ。」 「駄目って言えるんだ。」
俺は、 そう応えた。
俺も。
そして、 あの子自身ですら。
前の姿など望んで居ない事は、 明快なのに。
何か。
試されたんだろうな。
---------- References Nov.14 2011, 「断薬代わりの束縛でしょうか」 May.04 2011, 「其の身体の因は何処ですか」
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