例え、 此れが最期と想い窮めながら、 想い逢ったとしても。
其れが、 如何程残存するのだろうか。
上書きされ行く記憶の、 其の中に。
或いは、 欠片は残り続けるのだろうか。
其れとも。
治る迄はと、 願掛けに施した封を。
三年振りに解いた、 其れ故か。
別に、 残って居なかったとしても。
もう一度、 逢わせれば良いだけの事だけれど。
其れでも。
其処に居続けた様な感触が、 在り続ける魅惑に。
ふと、 溺れ掛ける。
腕の中で。
「変わって無いよ?」
上擦る声で応える、 あの子の。
其の、 振る舞いも。
変わって無いね。
---------- References Jun.19 2015, 「知らない振りが要るのでしょうか」 Sep.21 2014, 「狡いのは何方でしょうか」
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