見回しても、 他人ばかりの空間に。
幾日も、 幾日も、 閉じ籠もる事は。
時に。
想いを、 想いで無くして終うから。
互いの日々の一瞬を。
擬似的に、 重ね逢わせて。
其の想いを、 再認する作業だろうか。
其れとも。
見回しても、 壁ばかりの空間に。
幾日も、 幾日も、 閉じ籠もる事が。
時に。
人を、 人で無くして終うから。
自身の手には出来ぬ、 其の風景を。
擬似的に、 此の眼に入れては。
人で在る事を、 想い出して居るのだろうか。
「小坊主が散歩して。」 「散歩画像を贈ってくれれば良いんだよ。」
あの子は。
一つ、 希望を口にした。
「散歩に行きたい。」
嘗て。
俺が零した言の葉と同じ、 あの子の想いに。
「何時か一緒に行こうね。」
嘗て、 あの子が返した画と、 同じ様に。
一つ、 一つ。
眼前の画を贈り返す。
あの子が。
何度も散歩に出ては、 方々の画を、 贈ってくれた事を。
想い出しながら。
---------- References Apr.10 2011, 「逆向けの春風でしょうか」
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