雑多に保管された、 其の、 幾多の欠片が。
一定の要素で、 結び付けられる事で。
益の在る情報へと、 姿を、 変えるから。
自身には、 無価値で在った記憶が。
時に、 其の重みを増す事が、 在っても。
何ら。
不思議な事では無いのだけれど。
殆ど意識せずに、 埋もれて了った破片は。
大抵。
必要な時期には、 此の手に、 戻って来ないのだ。
今頃。
今更。
欠片が、 結び付けられた事の、 意味を。
自身に問い掛ける。
今は見慣れた、 其の文字に。
もう何度も呼んだ、 其の名前。
「凄いの出て来ちゃった。」
「小坊主に焼酎贈った時の?」
「此れって実家の住所だよね。」
「離婚寸前の頃だよ。」 「今は交流も感傷も無い実家だけれどさ。」
十数年以上も前の、 控え伝票が。
開かずの箱の奥底から。
記憶と供に、 引き摺り出された。
其の頃から。
幾つものあの子を。
俺は、 知って居た筈なのにね。
---------- References Dec.08 2001, 「気になり始めているのですか」 Jul.04 2011, 「どの辺りがらしい形でしょうか」
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