初めから最期迄。
其の傍らに居続ける事など、 不可能だから。
少しでも、 僅かでも。
其処に、 自身を置きたいと希い。
時に人は。
其の願いを、 形に宿し委ねるけれど。
其の、 指し示して居る刻には、 差異が在って。
其れは。
想いの、 其の深さや強さとは。
完全に、 独立した要素なのだろう。
「年に一度じゃないけれど。」 「何時も傍に居ないんだったら返して。」
あの子は。
俺の腕に巻かれぬ、 対の革紐に、 宿した想いを主張し。
「うっかり薬で溶かしちゃったら不味いから。」 「安全で毎日見る机に結んで在るんでしょう?」
俺は。
其の非難の本質を、 態と、 逸らして応えた。
前を向いて居る、 其の瞬間こそ。
傍で見て居て欲しい、 其れだけなんだけれどな。
---------- References May.21 2012, 「稀も続けば縁に為るのでしょうか」
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