前虎に向かう事は。
即ち、 背後の狼をも相手にする事が、 前提なのだろうか。
其れとも。
何らかの、 螺旋の中から飛び出でる術を。
未だ、 手に入れては無いだけだろうか。
幾度と無く、 出現して来た同種の匂いを、 再び嗅ぎ取り。
溜め息に似た吐息を、 互いに零す。
「あのね。」 「聞いて欲しい事が在るんだけれど。」
然程多くは発さない、 あの子の、 其の言葉に。
慌てて、 居住まいを規し。
「非番なのに出勤中ずっと付いて来るの。」 「妙に馴れ馴れしく話してくるの。」
「上司は知らないって?」
「うん。」
「相変わらず変なの惹き付けるんだな・・・。」
「そうみたい・・・。」
頼むべき、 公権力の一端が。
避け難い、 盲目的な想いと、 同種の匂いを発し始めた事を知る。
あの子の、 立ち居振る舞いは。
きっと、 其の種の匂いを惹いて了うんだろうな。
---------- References Apr.27 2012, 「謎掛け程度に軽い事柄でしょうか」
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