贈り主と、 贈られた相手と。
其の間に生じる、 様々な、 想いの格差は。
必ず、 存在する物だから。
其の格差を、 小手先の蓋で封じても。
唯、 格差から目を背けただけに、 過ぎない。
其れ故に。
両者の間に、 一枚の緩衝材を、 添える事が。
例え、 お互いの格差の減少に、 寄与するとしても。
飽く迄。
緩衝材は、 緩衝材に位置すべきで。
其の範囲を、 逸脱しては為らないのだ。
「小坊主からって事にした方が。」 「お義母さん喜ぶじゃない!」 「私からじゃ気を遣うでしょ?」 「だいたい何でアドレス教えたのよ!」
俺の母から、 姫に、 直接届いた御礼状は。
姫の、 隠れた心遣いを、 無にして終うのだろうか。
其れとも。
想いの伴わぬ、 取り入る為の算段に、 映る事を。
姫は、 殊更畏れて居るのだろうか。
「母の日の贈り物ありがとう。」 「さっそく飾りました。」
「俺の贈り物?」 「贈った覚えが無いんだけれど・・・」
母親から届いた、 其の電信に。
此の俺が、 惚けられると。
姫は、 想って居るのだろうか。
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