想いは、 時に暴走して。
自身には扱えぬ程の大きさに、 膨張するから。
決して、 壊して終う事の無い様に。
必死に、 必死に、 言い聞かせるのだけれど。
其の、 制動装置を踏み付ける為の、 自身への言葉を。
想いとは、 逆方向へ駆り立てる為の、 自身への言葉を。
何故に。
其の、 想いの矛先へと、 吐いて了うのだろうか。
其処に宿る矛盾は。
互いの想いを、 削り抉る、 格好の、 破壊具だと言うのに。
「いつかは消えてしまう。」 「この想いはなくなってしまう。」
坂の街の人の、 矛盾へ。
「自分に言い聞かせてる言葉なのに。」 「何故か大好きな大切な人に伝えたくなるんだよね。」
そっと、 布を被せる。
「その通りよ。」 「同じなのね。」
安堵する、 坂の街の人に。
同じでは無く。
嘗て、 同じ景色を映した人が、 居たからだと。
そうは、 答えられなかったけれど。
---------- References May.13 2007, 「万に一つの刻なのでしょうか」
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