何かを無くして、 或いは、 何かを失う事で。
人は初めて。
芯に其れを、 学ぶのかも知れないけれど。
其処に在ってこそ、 価値在る事で。
其処に在ってこそ、 意義在る事で。
知り得た想いは、 其の後の想いの糧にしか為らぬから。
其れ故に。
きっと、 糧を糧とした刻に。
想いは、 初めて想いに化けるのだろう。
携帯では無く、 態と、 迂回路で届けられた由は。
恐らくは。
音の無い場に生きるが故の、 配慮なのだと。
幾つもの情報源を捥がれた、 其の後の自身には、 殊更、 良く響く。
「無事で良かった。」 「生きて。」
坂の街から届いた電信に、 ようやっと辿り着き。
当たり前ぇだと、 微笑んだ。
そっか。
震災後。
穏やかに笑えたのは、 初めてなんだね。
---------- References Dec.16 2011, 「深さと想いは反比例でしょうか」 Jan.29 2007, 「相手の言葉を使いこなせますか」
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