暗闇と、 寒気と、 留まる事の無い余震と、 届かぬ情報と。
光も、 熱源も、 皆失った儘で、 身を寄せ合うしか無い。
互いを、 想い遣りながら。
こうして、 既に身を寄せ逢える事すら、 幸運で。
何物にも代え難いのだと、 本能が断じて居た。
唯、 生きて居れば良い。
唯、 生き延びて居れば良い。
恐らくは。
困窮に在るであろう幾多の命の、 無事を祈りながら。
想いなんて物は。
削ぎ落せば、 総て落ちて了う物なのだと、 想い至る。
傍らで、 時折目を覚ます二つの命を、 延ばす事は。
想いでは無くて、 きっと、 任務の様な感覚なんだね。
---------- References Mar.11 2011, 「浮かんだ命が真実でしょうか」
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