想いは本来、 核の領域のみで構成され。
其処に、 何の条件も制約も、 無い筈なのに。
何故に。
一定の条件が整った上で、 初めて。
想いは、 成立するのだろう。
最低限、 生命維持の為の存在しか、 存在し得ない、 其処に。
著しく、 似つかわしく無い香りが、 漂い始める。
中学校の体育館の、 暗闇の中。
避難所で、 徐に開いた箱。
配給された乾麺麭の、 其の傍らで。
「こんな時にこんな所で悪いんだけれど。」 「此れ。」
「腹の足しにはなるよ。」 「洋酒入り?」 「じゃぁ小坊主は酔うから駄目だね。」
一月前の、 其の御礼の洋菓子が。
非常食へ、 姿を変えた。
純粋な想いには。
如何して、 想い以外の物が必須なのかな。
---------- References Mar.12 2011, 「任務が優先でしょうか」 Mar.11 2011, 「浮かんだ命が真実でしょうか」
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