恰も、 想いを見失い。
或いは、 其の身を斬られたかの様に、 映るのだけれど。
其の知覚こそ、 真の値に他ならない。
現実の事象と、 虚像の範疇との間には。
或る、 一定の偏向が在るから。
其の、 虚にしか棲まぬ想いを、 見失い。
実に棲む刃で、 其の身を斬られた様に、 想うのだ。
けれども。
飽く迄、 其の偏向は。
虚が、 実に置換された、 其の刻に。
初めて、 認識されるから。
其の刃に、 ふと、 触れて終う。
舌鼓と、 窓辺の夜景を押し退けて。
「本当に変態だって思っていたら。」 「デートに誘ったりしませんよ。」
「分かんないよ。」 「毎晩大変態かも。」
「そういうこと言っていたら。」 「変態キャラ定着しちゃいますよ。」
「本当に変態かどうか。」 「試してみる?」
「じゃぁ今度是非。」
余韻の文は。
満ちる寸前の月を出汁に、 行き来する。
触れずに済むのなら。
其の刃に、 触れぬ方が良い。
一度も、 触れる事が無ければ。
多分。
何度も斬られて終う事には、 繋がらないのだから。
---------- References Sep.30 2009, 「何に効く薬の心算でしょうか」
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