住まう土地土地の、 気候や、 文化に因って。
人は育まれ。
徐々に、 徐々に、 其の歴史や格の重みを、 意識し行くのかも知れないけれど。
芯に根付いた支柱とは。
本当は、 極在り触れた、 意識にすら登らぬ処に。
位置するのだろうか。
ふと。
段葛に咲き誇る躑躅に送られ、 去年、 旅立った祖母も。
宮司や、 住職は、 当たり前の茶飲み友達で在った事を、 想い返す。
「りんのおうちにいくよ!」
張り切る娘に、 手を引かれながら。
高尚な、 由緒在る寺が。
娘にとっては、 友達の家と違わぬ事に、 笑みが零れた。
此の土地は。
娘にとって、 どんな柱に為るのかな。
---------- References 「輪王寺」
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