印して来た自身の足跡を。
一つ、 一つ、 正確に見つめる事は。
簡単そうで難しい。
此れ迄に、 刻んで歩んだ自身の想いは。
或る程度、 顧みる事が出来るけれど。
此れ迄に、 自身が放った想いの、 其の先は。
飽く迄、 推定しか出来ぬから。
其れ故に。
少なくとも、 傍らで想いを縒り逢わせ続ける事が。
互いの想いを探り盗る為の、 必要条件で。
今を捨て、 紡ぎを止めた二人の間に。
高精度で今を視る力など、 備わる筈も無い。
「便りのないのは元気な証拠ですか?」
水路の街から、 ふと、 便りが届く。
違うよ。
あの日の行為を、 其の儘、 鸚鵡返しして居るだけなんだよ。
きっと。
---------- References Oct.10 2008, 「不安は其処だけの物ですか」
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