挨拶の一種で、 其処に、 何の意図も無いのかも知れない。
或いは。
互いの距離を、 縛り付けて置く引力を。
其処に、 委ねて在るのかも知れない。
けれども。
何度か在った筈の、 其の機会に、 決して、 何の変化も呼ばぬ儘。
既に、 幾層も輪を重ねた上で。
実体の伴わぬ、 其の言葉に。
如何に、 応じよと言うのだろうか。
ふと。
笑みが漏れた。
「御誕生日御目出度う。」
「小坊主が覚えててくれただけで幸せですな(笑)」 「でももうおばちゃんだぁ。」
輪を刻む合図に。
例年の、 言葉が返り。
「この前の地震大丈夫だった?」
「うん。」 「此の辺りは何とも無い。」
「何もなくて安心安心。」 「何かあったら襲えないし。」
そして。
例年通りの言の葉も、 翻るのだ。
「おじいちゃんおばあちゃんになる前に又会えるといいね〜」
あの子の言葉は。
何時まで経っても、 全部、 本気に聞こえないなぁ。
---------- References Jun.21 2007, 「縒り逢う様に在るのでしょうか」
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