所詮は、 伏線で、 予防線に過ぎないけれど。
其の伏線が、 自身では無く相手の退路の為に、 在るのなら。
少しは、 想いの価値を有するのだろうか。
矢張り幻想だろうか。
其の場しのぎの、 付け焼き刃だとしても。
互いを想いながら、 今を、 繕うのならば。
未だ、 増しなのかも知れない。
嘘。
此の嘘は。
何時か、 互いの歩む向きが違えた時に、 唯、 俺を恨んで前を向かせる為。
嘘。
けれども。
其れは、 相手の退路を、 整備した振りをして。
内実は。
自身の眼前から、 相手を一瞬で消えさせる為の、 自己防衛手段に過ぎないのだろうな。
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