流行病の様に。
一瞬の、 けれども、 自身に甚大な影響を与える、 出来事を。
果たして、 幾つ刻んで残せるのか。
例え、 語り継ぎ続けたとしても。
殆ど、 跡形も無くなって終うのだけれど。
其れ故に。
殊更、 其の一瞬一瞬が、 価値在る物の様に想えるのだろうか。
確かに。
一瞬を忘れさせぬ為の、 娘の、 戦術かも知れないと。
姫と、 二人、 呆れ顔を綻ばせる。
「おかわりくいたい(ください)。」 「おにくたびゆぅ(たべる)。」
際限なく食べ続ける、 娘の胃袋に。
呆れ返る間も無く。
「どんだけぇ!」 「おっぱっぴぃ♪」
示指を立て。
片脚を挙げ。
娘は、 強引に自身を正当化した。
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