其れは。
個と個の間に、 一つ、 一つ、 言の葉を植え付けて。
互いを、 縒り逢わせる行為に他ならない。
其れ故に。
波と、 波が、 其の周期を重ね。
想いが大きく飛躍するかの様な、 錯覚に、 陥るのだろうか。
単が、 複に成り。
複が、 意味を宿し。
そして、 他に呼応し始め。
想いは、 恋に変わるのかも知れない。
毎晩の、 唯帰途を知らせる筈の、 電話は。
飽く迄、 此方が発信源なのに。
「もしもし?」
「ぱぱ。」
「うん。」 「お風呂入る。」
「ばいばい!」
受け手では無く、 贈り手の此方が。
何故か、 其れを待ち遠しく感じるのだ。
此れも、 恋の一種なのかな。
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