雲間の朝日に想うこと


< 見えるから見えぬ物でしょうか >


自身を前進させ、
自身を高みに押し上げれば。

物事を正確に捕らえられる様に、
成長出来ると、
想っていたけれど。


自身を高める事で。

少しだけ、
物が見えなく成る事も、
存在するんだ。





表と裏を、
如何にして見極めるか。

経験値しか、
判断材料が存在し得ないと言うのに。


逆に其の経験値が、
困惑や躊躇を産むから。








昔彼だった男が、
力強く答えた。


 「もう大丈夫です。」


其処に拘る理由も無く、
彼自身も器量も、
そんなに悪い物では無い。

振り回されずに、
早く前を向いて欲しいと、
そう願い続けて来た。





昔彼だった其の後輩が、
力強く答えた。


 「小坊主さん。」
 「もう大丈夫です。」


酒を酌み交わしながら、
昔彼の彼女だった人の事を、
話せば。

当時見えなかった雌の性格も、
予想される行動も、
良く見える様に成った。




けれども。


 「どうせな。」
 「お前に彼女が出来た頃に。」
 「ちょろちょろ戻って来るんだよ、御嬢は。」

 「ですよね!」
 「戻って来て欲しく無い時に・・・」
 「其れじゃいけないんですよ!」


俺と彼の読みは、
一致している様で違うんだ。








昔御嬢の彼だった、
俺の後輩が。


 「もう大丈夫ですから。」


力強く答えた、
其の時。



瞳に宿った切ない曇り。





期待感が消えてない事を、
俺は彼から感じた。

先が見えるからこそ、
期待感を消せないのか。






----------
References
 Nov.20 2003, 「爪の先に甘い毒を仕込むのですか」


2003年12月21日(日)


----------
History
2002年12月21日(土) 仕事の邪魔になりませんか
2001年12月21日(金) 望みを持っていても良いですか





Add MyEnpitu

小坊主
MAIL