例え僅かでも。
其の差分が、 正に、 在り続ける限り。
人は、 前へ進めるのだけれど。
其の差分は。
自身に在る期待値の増幅を、 誘発し。
慣習と、 傲慢と、 不満を、 其処に植え付け。
そして、 最期には。
自らをも喰らい蝕み。
負の差分へと、 自身を誘導し行く。
其れ故に。
自身に提供される、 其の想いは。
何時しか、 期待値を下回り。
贈られる、 自身を駆動する筈の想いは。
何時しか、 自身を減退させる力を、 獲得して了うのだ。
「何?」
「何でも無い。」
「小坊主と何回目の年越し?」
「六回目か?」
「良く保ったよねぇ。」
此の一年を振り返り。
ふと、 姫の顔を伺いながら。
鎹を介さぬ、 互いの、 想いの在処を。
想い、 模索する。
少しずつの、 正方向への変化を、 積み続けて。
互いが、 行き着く先は。
如何なる過程を、 経たとしても。
想いが、 消え失せた場所なのかも知れないね。
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