幾重にも、 幾重にも、 年を、 重ね行く中で。
自身の芯を、 深く、 深く、 拡げ行くのだけれど。
其の深さは。
時に、 自身に備えられた純粋さを、 妨げるのだ。
其れ故に。
自身に刻み込まれた、 其の、 深き襞と同時に。
失われ行く筈の、 其の、 傷一つ無い丸みを。
渇望して居るのかも知れない。
剛直に。
「駄目!」 「私が洗ってあげるの!」
自身の希望を押し通そうとする、 坂の街の人に。
不思議と。
飯事をして居る子供を、 連想して。
ふと、 笑みが零れて了うのだ。
---------- References Sep.11 2007, 「放たぬ方が増しでしょうか」
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