他者を模写し、 自身の糧とする事は。
確かに。
自身を高める、 常套手段なのだけれど。
其れは。
飽く迄、 自身の為に施される方策で。
決して、 他者の利益を創出する方策では無い。
其れ故に。
例え、 動作が同一であったとしても。
自身は胡坐をかいた儘に、 他者を誘導し、 自身を模倣させたのなら。
其れは、 他者を顎で使ったに過ぎないのだ。
決して、 成長の糧では無く。
唯、 楽をしたい。
其の一点に、 姫の視線が注がれた事に。
鋭敏に気付いて終う。
得意気に。
娘は、 床磨きの真似事をし。
「ほら。」 「上手に真似するでしょう?」
得意気に。
姫は、 其の巧みな教育術を、 主張するけれど。
---------- References Jul.26 2007, 「裏も嗅ぎ盗る唇でしょうか」
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