一見、 甘い香の漂う瞬間と、 見紛うけれど。
油断ならぬ時だからこそ、 甘い香が漂うのだ。
其れ故に。
キスをせがむ、 其の姿に、 唇を逢わせながらも。
視線や、 行動を、 注視して。
真意が、 何れに在るかを、 探るのだ。
「何?」
「大好き♪」
純粋に、 素直に。
何れ程、 甘える姿に見えても。
其の瞳が、 悪戯っぽく笑って居る。
「大好きだから、何?」
「大好きだから、新聞見せてね。」
目的は、 決して其処に無いんだ。
何の問題も、 無い事なのだから。
態態しく、 振る舞わなければ良いのに。
「私って。」 「他の男の事を考えてる時に、甘えるよね。」
ばつが悪そうに、 そう口にしてしまうのは。
姫なりの、 愛情表現なのかな。 |