何度も、 何度も。
其の壁を、 突き破る試みを続けて来たから。
此の耳に、 初めて、 其の言葉を手に入れた時。
小躍りしたのだけれど。
何度も、 何度も。
其の壁は、 消えた振りをして来たから。
其の言葉を、 耳にしたとしても。
然程、 浮かれた気持ちには、 成れぬのだ。
何が、 閾値を超える切り口なのか。
未だに。
未だに。
不明瞭なのだ。
「最近やっとね。」 「毎日が幸せに感じるようになって来たよ。」
ほんの数週前の言葉など、 無かったかの様に。
姫は、 そう口にした。
きっと。
再び、 後ろ向きの言葉を吐くのだけれど。
---------- References Jul.23 2006, 「始めの針路が誤りでしたか」
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