自身が深く眠り在る刻に、 幾度も、 幾度も、 刻み込まれて。
自身の奥底に、 記憶は、 根付いて行くから。
未だ、 覚醒に至らぬ内は。
飽く迄。
夢想に旅立つ寸前の位置情報で、 構成されて居るのだ。
けれども。
僅か、 一夜の眠りですら。
折角、 自身に根付いた情報など。
遙か過去の、 使えぬ位置へ追いやって終う。
昨夜迄在った筈の、 想いは。
こうして、 消失して行くのかも知れない。
明け方の、 娘の泣き声に。
俺は、 姫の臀部をぽんぽんと叩き。
明け方。
俺の其の先を、 物珍しそうに触る娘の姿に。
俺は、 姫の姿を重ねて終う。
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