時に。
其の領域の大小関係や、 或いは従属の序列を、 創り上げて。
量の多寡や 質の高低や、 或いは、 時間的な比率の分担に。
不平を、 唱えるけれど。
本質は、 其の大小には無く。
飽く迄。
互いの、 欠ける領域を補間し合う事が、 肝要には違いない。
其の一方で。
果たして、 此れが、 互いの補間で在るのかと。
時に、 疑念を差し挟む。
互いが、 互いの補間無しに、 在る事は。
即ち。
自身の存在意義を奪う事に、 他ならないから。
「いつまでも。」 「手伝い気分はやめてくれない?」
「手伝い以外の部分を。」 「俺に預けた事が在るのか?」
「だったら。」 「私と小坊主の役割を替えてみる?」
「言ったな。」 「やれるんだな。」
深夜の、 些細な諍いは。
得手を手渡し不得手を受け取る、 損な取引へと、 秤を傾けながら。
「どいてくれない?」 「どうせ小坊主に離乳食作りなんて出来ないでしょ?」
「やらせる前に邪魔すんのかよ。」 「姫こそ夜中起きるの辛かったんだろ。」
翌朝。
一瞬にして、 其の取引は破棄された。
唯、 自身の位置を失うのが、 怖いだけだ。
きっと。
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