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2007年03月07日(水) |
3月7日はモーリス・ラベルの誕生日です。「亡き王女のためのパヴァーヌ」/【追加】ダフニスとクロエ 終曲 |
◆ラベル(1875-1937)は夏目漱石よりも年下です。
だから、どうした?と訊かれると困ります。
因みに、夏目漱石は1867年生まれ。慶応3年です。翌年が明治元年です。
ラベルはもっと古い人のような気がしていたのですが、生まれたのは1875年、明治8年ですから、
漱石よりも8歳も年下なのですね。そしてラベルが亡くなったのは、1937年なんと、昭和12年です。
長い西洋音楽の歴史から見ると「最近の人」です。
◆ラベルはフランス人ではないのです。
ラベルを説明するときに、「フランスを代表する大作曲家」というのが通り相場で、
それは、確かにそうなのですが、ラベルにフランス人の血は流れておりません。
お父さんがスイス人、お母さんはスペイン人です。スイスで生まれたのです。
但し、まもなくパリに移住して、ラベルは終生パリに住んでいました。
これも、「だからどうした?」と訊かれると困ります。
今まで、迂闊にも知らなかったことを今日、発見したので書いているだけです。
◆ボレロ以外にも名曲は沢山あるのです。
ラベルはとにかく発想がユニークで、初めて聴くと、「え?」というような音楽が沢山あります。
ピアノ協奏曲を一曲(「左手の為の」は別として)書いていますが、曲の冒頭に「鞭(むち)」という打楽器の一撃が入ります。
「ムチ」とは、2枚の木の板の片端が蝶つがいでとめてあり、開くとV字型になり、それを勢いよく閉じると、「パチン!」
という音が出るわけです。これで曲が始まる(他の楽器も音を出していますが)のがまず、強烈な印象を与えます。
それから、ピアノ協奏曲だから、当然ピアノソロが出てくるのですが、他の楽器もやたらと難しいソロがありまして、
一体、何の協奏曲なんだ?と言いたくなります。第一楽章の冒頭です
ココログへのリンクです。
トランペットが細かい動きをするでしょ?
ここだけじゃないのです。ラベルの「ピアノ協奏曲」における「トランペットの難所」をまとめました。
ココログへのリンクです。
冗談じゃないよ、と言いたくなる難しさです。
トランペットだけじゃないのです。
◆これは、お好きな方多いでしょう「亡き王女のためのパヴァーヌ」
曲名だけじゃピンと来ない方も、聴けば、何となく聴いたことがあるような、と思われる事でしょう。
ココログへのリンクです。
大変美しい。美しいけれど、冒頭の長いホルン・ソロがありますね。
これ、怖いです。スリリング。一番高い音を失敗することがあります。
なお、この曲はピアノ版もあります。今は見つからないけど、ラベルの自作自演盤があるそうです。
岩城宏之さんが書いていました。「感動的に下手くそだけど、作曲者ならではの味がある」とのこと。
聴いてみたいですね。
◆【追加】ダフニスとクロエ第2組曲終曲「全員の踊り」
昨夜、ファイルをアップしていたのですが、眠気でぼんやりして、ここに載せるのを忘れてしまいました。
これもまた、ラベルの代表作の一つです。
「ダフニスとクロエ」は、大元は、古代ギリシャの作者不詳の恋愛物語だそうです。
これを元に、ラベルがバレエ音楽「ダフニスとクロエ」を書きました。
第一組曲、第二組曲があります。
これからお聴きいただくのは、その一番最後、興奮が最高潮に達するところ。
コーラスが入っている版です(オーケストラだけで演奏されることの方が多いです。
生で聴くとすごい迫力ですが、録音でも充分、熱狂が伝わると思います。
ココログへのリンクです。
最後のフォルティッシモ、すごいでしょ?
◆お薦めCD
カラヤン、アバド、小沢のオムニバスですが、ピアノ協奏曲が天才アルゲリッチですし、
他にもラベルの代表作が収まっているので、このCDが良いかと。
ボレロだけなら、以前からお薦めしている、アバド・ロンドン交響楽団です。
クライマックスに、オケの誰かが興奮を抑えきれなくなり、絶叫してます。非常に珍しい。
終わりに、このCDではありませんが、ボレロの終わり、一番盛り上がるところを、お聴き下さい。
ココログへのリンクです。
それでは。また。
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2006年03月07日(火) 「BSEに対する米国からの報告書に厚労省が再質問」←ひじょうに理屈の通った反論だ
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2004年03月07日(日) 「佐藤前衆議院議員詐欺容疑で逮捕」←全国会議員事務所に会計監査を入れろ。
2003年03月07日(金) 音読を続けることでTOEIC780点は取れる。お薦めの本がある。