JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:圧力容器内に燃料なし 1号機、溶けて落下、初確認(2015年3月20日 福島民友ニュース) 東京電力は19日、宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線から生じる「ミュー粒子」を利用して福島第1原発1号機を調査した結果、 ◆コメント:私が驚いたのは、この事実を初めて読む大ニュースのように受け取っている日本人がいる、ということです。 この記事は、原子炉圧力容器の中に本来あるはずの核燃料が全て溶融していることが、「科学的に」確認された、 空焚き1号機は溶融した核燃料が圧力容器の外に 小出裕章・京都大学原子炉実験所助教に聞く (インタビューズ (2011年05月12日)) この冒頭でジャーナリストで、ビデオ・ニュース・ドット・コムを創立した神保哲生氏が述べている通り、 東京電力は地震の2ヶ月後、2011年5月12日に 「原子炉圧力容器の中に冷却水が全く入っていないことを東電が認めた」 のです。 それが何を意味するかは明らかです。 通常、原発の圧力容器内の核燃料は水に浸かっていますが、核燃料は高熱を発しているので、常に水を循環させないと、 冷却水が蒸発してしまいます。水を循環させるポンプを動かすためには電力が必要ですが、津波によって、原子力発電システム自体が 停止してしまった上に、非常用電源も津波でやられて使えなくなったので、結果的に原子炉内の水は沸騰し蒸発して、なくなってしまったらしい と2011年5月に東電が認めているのです。 その結果、本来冷たい、循環する水に浸しておくべき燃料棒が剥き出しになり、 自らの崩壊熱でメルトダウンしたのです。その熱は2,800℃に達し、原子炉圧力容器も格納容器も鉄で出来ているから、 1,400℃で溶けてしまいます。したがって、メルトダウンした核燃料は原子炉圧力容器、格納容器の底を溶かして、落下し、 一番外側の原子炉建屋というのは、コンクリートの床があるだけですから、メルトダウンした核燃料はこれも溶かして、 地中にめり込んで沈降しているのだろうと。それでもなんとか冷やそうと上から水をかけますが、何しろ核燃料が溶けて 環境に剥き出しになり、福島第一原発の敷地内はものすごい被曝環境で、人間が直接目視することは不可能です。 ただ、何処かにはあるわけで、ですから今でも地下水やら、海中から放射性物質が検出される。 何とか拾い出すにも、まずロボットを開発しなければならないし、 例えロボットが開発されたとしても、溶融した核燃料はどれほど深い所にあるのか、どのような形状、状態にあるのか分かりませんから、 回収出来るかどうか、それ自体が不明です(小出さんは多分、無理だろうといっています)。 地震のときには、民主党政権で、菅直人首相で、震災後の対応が不味かったと酷評されてますが、 すくなくとも菅直人氏は、「全電源喪失」の意味が理解できたから、 とにかく動員できる電源車を全部福島第一に行かせたのですが、どの電源車もケーブルのプラグが原子炉の冷却システムのそれに 合わなかったので、結局冷却水を維持することが出来なかった。これは、民主党だろうが自民党だろうが、どうしようも無かったはずです。 そんなことは、地震の後、散々言われているのに、20日の東電の発表を知り、初めて知ったかのように、 原子炉内に核燃料がないって、大丈夫なの? などと、地震から4年以上経っているというのに、そんなことをネット上で、呟いている人がいました。 東電は、今更何を言っているのか、というのなら、同感ですが、311の後福島第一が何故とんでもないことになっているか。 知らない人がいるという事実のほうに、私は驚きました。 全然別の話ですが、「集団的自衛権」に関して私はこのブログで200回以上書いていますが、 分からない人は今でも沢山いる。「何度聴いても分からない」などという人もいます。 こんなことはさほど難しい、概念ではありません。 結論。 原発の状況の概略にしても、安全保障体制にかんしても、要するに物事は、 「知ろう」としなければ、いつまで経っても分かりません。 分からなければいけない問題に関して、勉強しない人、知ろうとしない人が多すぎます。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2013年03月20日(水) いくら何でも日本人は何でもすぐに忘れすぎです。「宙に浮いた年金」はどうなったのでしょう?
JIRO
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