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JIROの独断的日記
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2014年02月25日(火) 【音楽】25日は不世出の名手、モーリス・アンドレの命日でした。

◆謂わば「トランペットのハイフェッツ」です。

最近は、ピアノやヴァイオリンだけでなく、世界をみても、国内をみても、

色々な楽器の演奏技術の水準が高くなっています。

要するに「上手い」ってことです。

ラッパ(金管楽器)の世界も同様です。

しかし、全体の水準が平均的に上がっていても、次元の違う「天才」は、

「天才」ってぐらいですから、滅多に現れません。


ホルンのデニス・ブレインなど、その良い例ですが、トランペットに関しては、

モーリス・アンドレが、ヴァイオリンで「100年に1人の天才」とか「神様」と言われた、

ヤシャ・ハイフェッツに相当する、紛れもない天才です(本人は「天才と言われるのを嫌がっていたそうですが。

「これは練習の成果なのだ」と。そうかもしれませんが、いくら練習しても、「天賦の才」がないと、

モーリス・アンドレほど上手くなることは、絶対にありません。)

アンドレの後継者と言われる上手い人は何人も出ています。

上手いことは上手いけど、本当にアンドレに匹敵する人はいません。

ジャズ・トランペット奏者で、クラシックも吹く、ウィントン・マルサリスは

技術的には、天才的ではありますが、あの人がクラシックを吹いている時というのは、

多分、あまり「楽しい」と思っていないのではないか、と思います。

吹いている楽曲を通して、何を表現したいのか? がよく分かりません。


また、最近の吹奏楽少年・少女。音大生。アマチュア・トランペット奏者は

「モーリス・アンドレ」というと、余りにも当たり前(ある年代以上しかご理解いただけないかと

思いますが「巨人、大鵬、卵焼き」みたいなもの、ということです)なのでしょうか。

一番上手いトランペット奏者は誰か、と訊くと、元・ウィーン・フィル首席のハンス・ガンシュ、

シカゴ交響楽団の首席トランペットを半世紀も務めた、アドルフ・ハーセスなどを挙げます。


アホか?と思います。

彼らは、「オーケストラにおけるトランペット奏者」としては確かに一流ですが、所詮

「ソリスト」ではない。ガンシュもハーセスもハイドンのトランペット協奏曲を録音してますが、

モーリス・アンドレと聴き比べれば、ソロが始まって30秒でどっちが上手いか分かりそうなもんです。

モーリス・アンドレは初めて「トランペットのソリスト」として売れて、食えた人です。

そこに歴史的な意義があります。それだけ文句が付けようの無いほど上手かったということです。

もしも、アンドレがいなかったら、多分、今でも、「トランペット協奏曲」なんて、誰も知らないと思います。


◆雅子皇太子妃殿下が(多分)お好きな、トランペット版、バッハ「管弦楽組曲第2番」より。

どうして、ここで雅子さまのお名前を出すのか。

長くなるのでそれに関しては、7年3ヶ月前に書いた、

2006.11.26 雅子妃殿下とトランペット

雅子さまの音楽のお好みなど、マスコミも大衆もそもそも分からないから取り上げられませんが、

この記事で書いた通り、私は「アッ」と思ったのを良く覚えてます。プロ・アマのトランペット吹き。

音大の学生以外で、このトランペット版「管弦楽組曲2番」に興味をお持ちになる、とう方は大変珍しいのです。

かなり、雅子さまは、音楽がお好きなのではないか、と推察できます。そうじゃないとダビングしてまで車の中で

こんなの聴きません。


その記事に載せたのと同じ、ブーレから最後のバディネリまでをお聴き頂きます。

一時期廃盤でしたが、アンドレが亡くなって復刻されました。CD-BOXの割には安いと思います。

Maurice Andre Edition: Vol. 1-Concertos

に収録されています。


◆バッハ:管弦楽組曲第2番 BWV1067 ブーレ I - II


Bourrees I & II


難しくないですが、何とも言えない切なさが私は好きです。


◆バッハ:管弦楽組曲第2番 BWV1067 ポロネーズ


Polonaise & Double


途中、チェロが主旋律、トランペットがオブリガートの所、普通の人なら非常に「キツい」と思います。


◆バッハ:管弦楽組曲第2番 BWV1067 メヌエット


Menuett


楽譜を見ると前打音なのを2拍伸ばしてまして、どうやらこれが主流になるのですが、アンドレが録音した当時は

一般的では無かったと思います。


◆バッハ:管弦楽組曲第2番 BWV1067 バディネリ


Badinerie


これは、フルートでもトランペットでも流れるように吹くのは、とってもたいへんで、

冒頭が「とってもとってもたいへんだ」に聞こえます。

難しい曲なのに、あたかも我々でも直ぐに吹けるようになりそうな錯覚に陥ってしまう。

これこそ、本当の名人の演奏です。


モーリス・アンドレの名前は音楽史上、永遠に残ることでしょう。

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