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2014年03月01日(土) |
「合理主義」だけでは、商売はうまくいかない。車の買い替えに際して思いました。 |
◆16年半ぶりにクルマを買い替えました。
「買い物自慢」では、ありません。
私は、1997年7月末に4年間駐在した英国・ロンドンから帰国しました。
持ち家なんかありませんし、帰国と同時に賃貸マンションを探すのは難しいので、
帰国者には、さすがに会社が配慮して、優先的に社宅に入居できます。
それは、たまたま、武蔵野市(最寄り駅はJR東日本中央線、三鷹駅)の社宅でした。
元来クルマはすきですし、子供もまだ幼かったし、多摩地区では特にクルマがあった方が便利なので
あれこれ検討して、結局、近所の日産の正規ディーラーから、
2500cc、6気筒の2代目「セフィーロ」(今はありません)を買いました。
それをこの度、さすがにあまりにも古いので、最近の日産のセダンに買い替えたのです。
再び日産車を購入した経緯を書きます。
◆同じメーカーでも販売店、担当者により、ものすごく印象が変わります。
最初の営業担当者はとても親切でしたが、やがてその人物が転勤になり、
2代目の担当者。この方は、日産武蔵村山工場(今はありません)で
働いていた、元来技術系の方ということで、営業(セールス)は初めてで、
大変そうでしたが、それだけに熱心で「誠意」を感じました。しかし、この方も転勤になりました。
その後からひどかった。
誤解を避けるため、書きますが日産の正規販売店「日産プリンス」全てが「ひどい」のではない。
営業担当者、個人の問題です。
3代目から、「若い奴」になりましたが、ここから急に仕事がいい加減になりはじめました。
3代目もやがて転勤。4代目に替わるとき、普通は新担当者を連れて挨拶に来るものですが、
電話で「自分は、こんど転勤になりました。新担当者は〇〇といいます」となんとそれで終わり。
4代目の〇〇の仕事ぶりはさらにデタラメで、ある年、車検を依頼して、車検自体は済みましたが、
ちょうど、私が夏休みで、クルマで旅行に出かける直前のタイミング。私は4代目担当者の××に、
「車検証が届いたら、直ぐに私の自宅に持って来てくれ」
と電話でたのみ、××も一見愛想良く「わかりました」といいますが、なかなか来ない。
早く出かけないと、旅行先のホテルに着くのが夜中になります。
業を煮やし、販売店長に電話したら、
××は営業の為外出しています。車検証は、ここ(販売店)にあります。
という。余りにもひどい仕事ぶり。次回は絶対に日産以外を買おう、とその時は思いました。
数年後、私は実家があった荻窪に色々話すと面倒くさいですが、等価交換という手段を用いて
マンションを建てて、その一室に引っ越しました(私はマンション全体の「大家」ではありません)。
クルマはそのままセフィーロです。
新しい日産の販売店の世話になることになりました。
その担当者が、今でも担当して下さってますが、実に素晴らしい。
これで一時期最悪になっていた私の「日産プリンス」へのイメージが、ガラリと
良い方に劇的に変化しました。
それはあたかも、「逆転サヨナラホームラン」のようなものです。
◆日頃の細かい仕事でも、誠意を持ってこなしてくれると、「恩義」を感じるものです。
ここ、杉並。自宅最寄りの日産プリンスに、今まで私はチマチマしたことばかり
依頼してました。車検だとか、少々キズが付いた、とか、サイドミラーの具合が悪いとか、
バッテリーが劣化したようだ、とか、近所の子供が石を放り上げて遊んでいるウチに、
間違って、私の車のリアウインドウを直撃し、丸ごと交換しなければいけない、など。
このような「手間ばかりかかって、大した儲けにならないこと」ですら、現担当者のSさんは、
常に変わらずに、イヤな顔を絶対にしないで誠実に対応してくださいました。
勿論、クルマの営業担当ですから、新車に買い替えて欲しいに決まっている。
何しろ、1997年のセフィーロですから、本来はとっくに買い替えるところ。
Sさんにも何度もすすめられていたのですがその都度、いろいろ言い訳して誤魔化して
買い替えませんでした。一つには、ウツになり、収入が減ったことも理由ですが、
まあ、それはいいません。
なんど、話を持ちかけても、なかなか買い替えると言わない私で、その間に「チマチマ仕事」は
頼むのですが、前述のとおり絶対に嫌な顔をしないでその度ごとに丁寧に、誠実に対応して
くださいました。
こういう風にされると、人間ですから、「恩義」を感じ「情」がうつります。
◆今日、新車を買う契約をしました。他社は考えもしませんでした。
今回、たまたま、資金繰りに余裕が生じ、
あまりにも古い今のクルマを買い替えることに決めましたが、
今までの、営業担当S氏の誠実な対応を忘れるはずがない。
彼以外から買うつもりは、全くありませんでした。他社との比較すらしなかった。
検討したのは、彼の販売店で扱っているクルマのどれにするか、ということだけです。
新しい車種を決めて、今日成約しました。自分では消費税云々は、間に合わなくても仕方が無い
と思っていたのですが、営業担当者は、今のうちに一台でも多く売りたい。当たり前です。
営業のS氏の大事な時期に、「車を買い替えたい」と申し出て、彼のアドヴァイスで買えて、
良かったです。クルマ一台買うとなると、販売店の店長まで挨拶に出て来て下さいます。
(話は、販売店でやりました)。
店長さんに、これまで細かいことまで、引き受けてくださったS氏の手柄にして下さいといいました。
言わなくても、当然かれの成績にカウントされるでしょうが、
誠実な仕事には、感謝し、彼の上司の前で彼の仕事ぶりの素晴らしさを強調したかった。
人間の行動がすべて「合理的な判断」で為されるもの、という考え方があるとしたら、
それは、違う。「合理的に」行動するならば、私は前述のように、他社も検討するはずです。
他のメーカーのディーラーをごっそり呼んで、値引き競争させたでしょう。
つまり、人間の行動はそういうものです。生きものですから、
数字(値段)だけで、行動は決まらない。
また、こういうチャンスこそ、相手を褒めるべきです。
今日、私は、営業担当S氏の上司に、今まで如何に彼が親切で、誠実で、丁寧な
仕事をしてくれたか、だからこそ、おたくで買うのだ、と強調しました。
僭越ですけど、本人も上司もイヤな気がするはずがない。優れた仕事は褒められるべきです。
商売。ひいては人間関係というのは、本来そうあるべきだ、とおもいます。
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