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JIROの独断的日記
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2013年05月04日(土) 「米雇用、4月16万5000人増 市場予想上回る」←ウソではないのですが全面的には楽観できません。

◆記事:米雇用、4月16万5000人増 市場予想上回る(日本経済新聞 2013/5/4付 朝刊)

米労働省が3日発表した4月の雇用統計によると、労働市場の動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数は、前月に比べ16万5千人増となった。

3月の改定値も同13万8千人増(速報は8万8千人増)に上方修正。サービスなどの雇用が底堅く推移した。

ただ、政府部門は減少、回復が持続するか不透明さも残る。

3日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均が大幅に続伸して始まり、初めて一時1万5000ドル台に乗せた

4月の雇用統計が市場予想を上回ったのを好感し、上げ幅は170ドルを超える場面も。

前日の欧州中央銀行(ECB)の利下げなど先進国を中心に金融緩和が続くとの期待感も相場を下支えしている。

3日の米シカゴ市場でも日経平均先物(6月物)が急上昇し、一時1万4180円をつけた。

東京市場が連休に入る前の2日の日経平均株価の終値(1万3694円04銭)を大きく上回る。

4月の失業率は7.5%と前月から0.1ポイント低下。3カ月連続で下がり、2008年12月(7.3%)に次ぐ低い水準。

雇用者数の伸び幅は、市場予想の平均の15万人程度を上回った。

2月の改定値も前月比33万2千人増となり、12年1月以来、30万人台となった。(注:色太文字は引用者による)


◆コメント:マスコミは総じて「大雑把に」「良い事」ばかりを伝えます。

マスコミは耳障りに良いことばかりを強調する傾向があるので、特に調子がよい「トーン」は、

割り引いて考えてちょうど良いと思います。今回の米国雇用統計に関しては、それでも

「不安要因」に言及しているから、まだ良い方です。

日本の経済指標については、経済専門紙の日経ですら「政府広報紙」になりがちです。


例えば--主題から話がそれますが--、私は弊ブログで過去に何度も書きましたが、日本は年に四回、GDP(国内総生産)を発表します。

四半期ごとに、経済成長率が前の3ヶ月と比較してどのように変化したか、物価変動を排除した「実質GDP」と、そのままの「名目GDP」があります。

ひじょうにおおまかにいうと、「実質=量」で「名目=金額」です。

物価が持続的に上昇しているインフレの局面では、例え、売上げの「量」が同じでも、物価が仮に2倍になっていれあ「名目」は2倍になる。

すると、経済活動の規模、生産量、販売量が増えていないのに、増えているように見えてしまうから、物価上昇率で割るのです。

しかし、今はずっと物価が下がり続ける「デフレ」がとまらなくてこまっているのですから、むしろ「金額」をしめす「名目GDP」が

上昇に転ずることが、肝心です。そんなことを日経が知らない訳は無いのに、「実質GDP」前期比プラス何パーセント、などど、

あまり意味の無いことを書いているのです。だからマスコミの「良くなった」を鵜呑みにしないほうが良いのです。


話を米国雇用統計に戻します。

メディアの報道が「ウソではないけれども説明不足」であることも、大衆が表面的な数字に反応することも

洋の東西を問わず、金曜日に発表されたアメリカの4月の雇用統計で、失業率が低下したことと、

最も重要視される非農業部門就業者数(農業部門の就業者数は景気の影響を受けないので「非農業部門」を見るのです)が、

前月比、おおかたのエコノミストの予想を上回る増加をしめしたことから、ニューヨーク市場で株価が上昇した。

ということは、ウソではないけれども、エコノミストはもう少し詳しく見ていると思います。


アメリカの労働省(Department of Labor)のサイトに、新着情報として、

Unemployment Rate: 7.5% in April 2013

とあります。リンク先を見ると驚きますが、雇用統計といっても非常に多くの切り口で統計が掲載されています。

その中で、Average weekly hours(週平均労働時間)という項目。

一番上に全産業平均が載ってますが、34.4時間と、僅かですが、3月よりも減っています。

さらに、Average Weekly Earnings(平均週間賃金)を見ると、821.13ドルで、同じく前月比マイナスです。

ここまでは、普通のアメリカの新聞もかきませんけれども、これらは、雇用統計の「先行指標」といわれており、

両方とも前月比マイナスだと、先がまだ不安定だ、ということです。数字を見つけるのは一般人には不可能ですが、

さほど難しい話では無いので、本当はメディアが指摘しても良いと思います。

単月の経済指標の上っ面だけを見て一喜一憂するのは、あまり、意味がありません。

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