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2009年05月04日(月) |
「感染者、全世界で1000人突破=死者は27人−新型インフル宣言1週間」←全世界と言っても地図にすると・・・。 |
◆記事:感染者、全世界で1000人突破=死者は27人−新型インフル宣言1週間(5月5日0時47分配信 時事通信)
世界保健機関(WHO)が4月27日に新型インフルエンザの発生を宣言してから4日で1週間が経過した。
同宣言を受け、各国は対策に着手したが、感染は欧州やアジアなどにも拡大。4日までの発表などによれば、
死者27人を含め確認感染者は全世界で1000人を超えた。
世界的な大流行(パンデミック)発生を意味する「フェーズ6」に警戒レベルが引き上げられるとの見方も強まっている。
メキシコのコルドバ保健相は同日、同国での死者数が累計で26人となったことを明らかにした。
死者も含め感染者数の合計は前日から137人増えて727人となった。米疾病対策センター(CDC)によると、
米国の感染者は36州計286人で死者は1人。カナダ通信によれば、同国感染者は101人に増えた。
このほか中米エルサルバドルとポルトガルでも初感染が確認され、これで感染者が出た国と地域は21となった。
◆コメント:全世界でというが、感染者の数と分布を地図で見ると・・・。
WHOのパンデミックアラートは何を基準にしていると、インフルエンザの症状は関係なく、
とにかくヒトーヒト感染している地理的な広がりを見せている。
患者数も増えている。国立感染症研究所が4日(月)午前9時に発表した、最近1週間の
各国の患者数の推移である。
確かに確実に感染者は増えていて、今この原稿を書いている時点(2009年05月05日(火)02時19分)で、
ニュースをチェックすると、記事1のとおり感染者は1,000人を超えている。
マスコミは、過剰に扇情的に「世界的流行」を強調したがるが、
WHOがその患者の分布を地図にしたものが↓である。
感染者が出た国と地域は21になった。
のは決して「ウソ」ではないが、どうも緊迫感がない。
要するに極端に感染者と死者数が多いのはメキシコだけなのである。
アメリカも感染者は多いが、重症にならない。他国も同様である。
◆WHOによるパンデミックアラートの基準(各フェーズの定義)
現在、フェーズ5だが、その判断基準はどのように定義されているか。
WHO | Current WHO phase of pandemic alertを国立感染症研究所が日本語にしている。
- フェーズ1:動物の中で循環しているウイルスがヒトにおいて感染を引き起こしたとの報告がない状態
- フェーズ2:家畜または野生の動物の間で循環している動物のインフルエンザウイルスが、ヒトに感染を引き起こしたことが知られ、潜在的なパンデミックの脅威であると考えられる状態
- フェーズ3:動物インフルエンザまたはヒト−動物のインフルエンザの再集合ウイルスが、ヒトにおいて散発例を発生させるか小集団集積症例を発生させたが、市中レベルでのアウトブレイクを維持できるだけの十分なヒト−ヒト感染伝播を起こしていない状態
- フェーズ4:市中レベルでのアウトブレイク”を引き起こすことが可能な動物のウイルスのヒト−ヒト感染伝播またはヒトインフルエンザ−動物インフルエンザの再集合体ウイルスのヒト−ヒト感染伝播が確認されたこと
- フェーズ5:1つのWHO地域で少なくとも2つの国でウイルスのヒト−ヒト感染拡大があること
- フェーズ6(パンデミックフェーズ):フェーズ5に定義された基準に加え、WHOの異なる地域において少なくとも他の1つの国で市中レベルでのアウトブレイクがあること
「市中レベル」が分かり難いが、英語だと、community-levelである。
フェーズ4に引き上げられたとき、大騒ぎになったが、要するに限られた地域レベルでヒトーヒト感染が確認された、ということ。
現在の「フェーズ5」は「1つのWHO地域で少なくとも2つの国でウイルスのヒト−ヒト感染拡大がある」状態。
WHO地域(WHO Regions)とは、WHOは世界を6つの地域に分けていて、それぞれに管轄事務所がある。それは、
- :: Regional Office for Africa
- :: Regional Office for the Americas
- :: Regional Office for South-East Asia
- :: Regional Office for Europe
- :: Regional Office for the Eastern Mediterranean
- :: Regional Office for the Western Pacific
で地図で見ると、
となる。
ごらんのとおり、アメリカは南北で一つのWHO地域であり、メキシコとアメリカでヒトーヒト感染が広まったから、
フェーズ5なのである。
フェーズ6は、アメリカ地域以外の少なくとも一カ国で地域的なヒトーヒト感染が急増(Outbreak)していることが
条件だから、時間の問題と思われる。
しかし、これを冷静に見ると、世界的大流行といって、日本でも政府が緊急措置を発動する必要があるか、
やや疑問である。
新型インフルエンザ対策行動計画(改定後)の概要は既に策定されており、
国内で新型インフルエンザ感染者が出たときには、
- 感染者の感染症指定医療機関等への入院措置
- 学校の臨時休業、不要不急の集会等の自粛要請
- 事業者に対する不要不急の業務の縮小要請
が行われることになっているが、元々「新型インフルエンザ対策」は
強毒性の鳥インフルエンザウイルスH5N1型がヒトーヒト感染する事態を想定したのである。
現在の、変異を起こしていないH1N1型は、Aソ連型と同じであり、日本人の多くは免疫を持っている。
鳥インフルは致死率が約6割で非常に危険だから、分かるが、今回のインフルAに関して、
「新型インフルエンザ対策」を杓子定規に適用すると、社会機能が麻痺し、惹いては、景気後退を
一層加速させる危険がある。
勿論、政府は責任を問われるから大事を取りたくなる気持は分かるが、情勢を客観的に分析し、
柔軟に、臨機応変に対応して頂きたい。
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