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JIROの独断的日記
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2012年10月17日(水) 「日銀当座預金、連日の最大更新=大量資金、融資に回らず」←金融緩和しても景気浮揚にならないのです。

◆記事:日銀当座預金、連日の最大更新=大量資金、融資に回らず(時事通信 2012/10/17 21:00)

民間金融機関が資金決済などのために日銀に預けている当座預金の残高が17日、

前日比7800億円増の46兆900億円(速報値)となり、2日連続で最大を更新した。

日銀の金融緩和で市場に大量の資金が出回っているが、企業への貸し出し増加につながっておらず、

残高が積み上がっている状況だ。

日銀は、長期国債などを買い入れる基金の規模を2013年12月末までに80兆円程度とする金融緩和を進めている。

景気浮揚のため市場を通じて金融機関から企業に低利の資金を大量に供給するのを意図しているが、

景気減速で企業の資金需要は少ない。市場では「金融機関の資金は融資に回っていない」(短資会社)と、

緩和効果は限定的とみられている。


◆コメント:総需要を喚起しないで、通貨供給だけを増やしても無駄だ、と何度も書いております。

折りしも、17日(水)午後5時から、野田総理が「緊急経済対策に関する記者会見」を開き、

デフレ脱却、景気回復のために、11月中に「緊急経済対策をまとめるよう関係閣僚に指示した」と発表しましたが、

そんなスケジュールでは「緊急」でも何でもないように思いますが、それはさておき。

指示された方の、前原経済相は、日銀の一層の金融緩和を期待する、という意味のことを言っています。

これは、今に始まったことではありません。

政府はずっと前から景気が悪いまま、デフレが止まらないのは日銀の所為だ、といわんばかりに

一層の金融緩和を求めるという意味の事をいい続けていますが、

私は、需要がないところで市場資金を増やしても、無駄だと何度も主張しています。

自分が書いた記事を検索したら、今年、既に4回書いております。

2012.10.05「物価1%上昇、14年度達成は困難 日銀総裁が見通し」←物価を上昇させるのは、日銀の仕事ではありません。

2012.07.11 「政府 デフレ脱却対策まとめる」←個人消費を増やすことが肝心です。

2012.04.11 「景気回復、実現近づく=物価上昇の時期触れず―白川日銀総裁」←物価を上げるのは日銀の仕事ではない。

2012.02.09「年金改革で消費税10%超=野田首相、財源不足認める」←消費税を増税しても、税収は増えない。

ですから、引用した時事通信社の記事を読んで、
だから、いわんこっちゃない。

と、僭越でございますが、そのように述べる資格が私にはある、と考えています。

つまり、リーマン・ショックの後などは、金融機関が自己資本が足りなくなりそうだったので、

貸し渋りを起こし(「クレジット・クランチ=信用収縮」と同じ意味です)、それで一般の会社が

資金を必要としていたのに、銀行が貸出に慎重になり、なかなか貸さない。結果として、当時既に

現職だった、白川日銀総裁が、
あたかも、岩が崖から転がり落ちるような、かつて経験したことのない勢いで、世界中の景気が後退している。

と、何度も講演や記者会見で言っていたのを思い出しますが、

時事通信の記事に書いてあるとおり、今は状況がちがいます。

日銀当座預金というのは、市中銀行(普通の民間銀行、みずほとか、東京三菱とか。)が

日銀に持っている、口座ですけれども、その残高が増えているというのは、

銀行のお客さん、事業会社が、銀行からおカネを借りて設備投資をして、モノやサービスを

増産しようとしないからです。

何故かというと、モノやサービスを生産しても、個人消費が落ちこんでいて、

つまり、家計がおカネを使わないから、商品が売れないからです。

こういう状態を国家経済(マクロ経済)から見たときに「総需要が不足している」というのです。

だから、そういうとき=需要が不足しているときに、政府が日銀に対して、
もっと沢山、国債などを買い入れて、市場に資金を供給しろ、金融緩和をもっとすすめろ。

というのは、全然意味がないです。

先週、東京でIMF総会が開かれ、IMFは「財政の健全化(財政赤字を減らすこと)も大事だが、

それに、あまりにも、拘りすぎるな。世界経済がいつまで経っても回復しない」と言っていました。



本気で経済対策をするなら、経済相に対策をまとめろ、と指示を出した、などと、のんきなことをいっていないで、

大胆に財政支出を行って、世の中の「仕事」を増やす=需要を増やす。という直接的な行動をとるか、

GDPの60%を占める個人消費を増やす。つまり、国民におカネを使って貰う為には、可処分所得を増やさないとダメなんで、

今、儲かっていない企業が、従業員に支払う給与を増やす訳がないのですから、所得減税、地方減税する必要があります。

但し、あまりにも、世の中の先行きが不透明なので、可処分所得が増えても家計はその全てを消費することはなく、

貯蓄にも回すでしょうから、減税したらその金額がそのまま個人所得増になることは無い筈です。


一時的に国家財政の赤字が膨らんでも公共投資を増やすのと減税の両方を同時に行う、というのは、

なかなか勇気が要りますけれども、それぐらい思い切った「経済対策」を実行しないと、

いつまで経っても、デフレ不況のまま、文字通り景気の悪い、沈滞した雰囲気を打破出来ないと思います。

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