JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:日銀当座預金、連日の最大更新=大量資金、融資に回らず(時事通信 2012/10/17 21:00) 民間金融機関が資金決済などのために日銀に預けている当座預金の残高が17日、 ◆コメント:総需要を喚起しないで、通貨供給だけを増やしても無駄だ、と何度も書いております。 折りしも、17日(水)午後5時から、野田総理が「緊急経済対策に関する記者会見」を開き、 2012.10.05「物価1%上昇、14年度達成は困難 日銀総裁が見通し」←物価を上昇させるのは、日銀の仕事ではありません。 ですから、引用した時事通信社の記事を読んで、 だから、いわんこっちゃない。 と、僭越でございますが、そのように述べる資格が私にはある、と考えています。 つまり、リーマン・ショックの後などは、金融機関が自己資本が足りなくなりそうだったので、 貸し渋りを起こし(「クレジット・クランチ=信用収縮」と同じ意味です)、それで一般の会社が 資金を必要としていたのに、銀行が貸出に慎重になり、なかなか貸さない。結果として、当時既に 現職だった、白川日銀総裁が、 あたかも、岩が崖から転がり落ちるような、かつて経験したことのない勢いで、世界中の景気が後退している。 と、何度も講演や記者会見で言っていたのを思い出しますが、 時事通信の記事に書いてあるとおり、今は状況がちがいます。 日銀当座預金というのは、市中銀行(普通の民間銀行、みずほとか、東京三菱とか。)が 日銀に持っている、口座ですけれども、その残高が増えているというのは、 銀行のお客さん、事業会社が、銀行からおカネを借りて設備投資をして、モノやサービスを 増産しようとしないからです。 何故かというと、モノやサービスを生産しても、個人消費が落ちこんでいて、 つまり、家計がおカネを使わないから、商品が売れないからです。 こういう状態を国家経済(マクロ経済)から見たときに「総需要が不足している」というのです。 だから、そういうとき=需要が不足しているときに、政府が日銀に対して、 もっと沢山、国債などを買い入れて、市場に資金を供給しろ、金融緩和をもっとすすめろ。 というのは、全然意味がないです。 先週、東京でIMF総会が開かれ、IMFは「財政の健全化(財政赤字を減らすこと)も大事だが、 それに、あまりにも、拘りすぎるな。世界経済がいつまで経っても回復しない」と言っていました。 本気で経済対策をするなら、経済相に対策をまとめろ、と指示を出した、などと、のんきなことをいっていないで、 大胆に財政支出を行って、世の中の「仕事」を増やす=需要を増やす。という直接的な行動をとるか、 GDPの60%を占める個人消費を増やす。つまり、国民におカネを使って貰う為には、可処分所得を増やさないとダメなんで、 今、儲かっていない企業が、従業員に支払う給与を増やす訳がないのですから、所得減税、地方減税する必要があります。 但し、あまりにも、世の中の先行きが不透明なので、可処分所得が増えても家計はその全てを消費することはなく、 貯蓄にも回すでしょうから、減税したらその金額がそのまま個人所得増になることは無い筈です。 一時的に国家財政の赤字が膨らんでも公共投資を増やすのと減税の両方を同時に行う、というのは、 なかなか勇気が要りますけれども、それぐらい思い切った「経済対策」を実行しないと、 いつまで経っても、デフレ不況のまま、文字通り景気の悪い、沈滞した雰囲気を打破出来ないと思います。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2011年10月17日(月) 【音楽】5人のピアニストによる「子犬のワルツ」ショパンの命日でした。
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