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2011年10月17日(月) |
【音楽】5人のピアニストによる「子犬のワルツ」ショパンの命日でした。 |
◆10月17日はショパン(1810〜1849)の命日でした。
私はピアノを聴き始めたのが遅いもので、ショパンってよく知らないのです。
月曜にやっつけ仕事でショパンの代表作なんてとてもじゃないけど書けないので
それは、また週末近くにでもやりますから、今日の所は、簡単に。
一昨日、小山実稚恵さんの小品集を紹介して、その中でワルツ第6番、
通称「子犬のワルツ」を載せました。
まさか、いくら無知な私でも、これがショパンの代表作だとは言いませんが、
ショパンってのは、ちょっと聴けば分かりますけど、大抵の曲はテンポを変化させて
弾きます。どんなピアニストでも。ずっと同じテンポで棒読みみたいに弾いたら
「アホか?」と言われてしまいます。テンポ・ルバートとかなんとかいいますけど
その解釈があらゆる作品に関して、ピアニスト1人1人、全部違う、というのが
面白いところです。長い曲だとめんどくさいので、「子犬のワルツ」で比べましょう。
◆5人のピアニストによる、「子犬のワルツ」。
この曲は演奏時間が2分にもならないので、
もっと沢山の演奏を集めようかと思いましたが、
まあ、とりあえず、5人。
アシュケナージ、カツァリス、小山実稚恵、ラフマニノフ(!)、ルービンシュタイン。
まずアシュケナージから。
アシュケナージ:「子犬のワルツ」
アシュケナージ。
超絶技巧のカツァリスはどう弾くでしょう。
カツァリス:「子犬のワルツ」
カツァリス
この人は上手すぎるので、下手するといくらでも速く弾けてしまいます。
しかし、音楽的教養がテクニック誇示をしないようにコントロールしてます。
次は小山実稚恵さんです。
小山実稚恵:「子犬のワルツ」
小山実稚恵
この方が、演奏時間が、いちばん短いのです。つまり速いのですが、
お聴きになるとわかるとおり、全ての音が完全に鳴っているのですね。コントロールされています。
アシュケナージ、カツァリスに一歩もひけを取りません。世界的なレベルで上手いってことです。
次はなんとラフマニノフ。自身が名ピアニストだったので、思い切り難しいピアノ曲の数々を書いたのですが、
この人は独特です。音質は当然非常に悪いですが「演奏」(音じゃなくて)をお聴き下さい。
ラフマニノフ:「子犬のワルツ」
ラフマニノフ:「子犬のワルツ」
これ、ラフマニノフ大先生だ、と分かっているから、「オー、個性的だ」と言わざるを得ないのですが、
もしも、現代の新人がこういう弾き方をしたら、「このハッタリ野郎」と言われるかもしれません。
それぐらい、極めて独特の解釈ですね。
最後は、20世紀の巨匠のひとり、ルービンシュタインです。
ルービンシュタイン:「子犬のワルツ」
ルービンシュタイン:「子犬のワルツ」
私が最初に聞いたのは、ルービンシュタインだったのです。
だから、これが私の「子犬のワルツ」の基準としてまず存在したのですが
その後、ほかのピアニストを聴くと、大抵もっと速いテンポで「指が回る」ところを
聴かせたがります。確かにそのテクニックを堪能するのは楽しみですが、
ルービンシュタインは、全曲を通じて「テクニック誇示」が全くない。
こういう演奏は珍しいですが、これはこれで歴とした「解釈」なのです。
このように、クラシックは同じ曲、しかも、これほど演奏時間が短い曲でも、
演奏者により、全然解釈が違う訳ですね。
聴いているうちに、「自分ならどう弾くかな?」というようなことを考えるようになると
かなりクラシックが面白くなります。ピアノ一台ですら、これほど違う。
オーケストラになれば、もっと色々な要素が絡みます。
片っ端から色々な曲を聴いて、勿論いいですけど、非常に気に入った曲、
に遭遇したら、その曲を色々な演奏家で聴き比べると、面白い。
これは、クラシックならではの楽しみだと思います。
ということを、例示したくて、5人の「子犬のワルツ」を
載せました。ショパン特集はもうちょとベンキョーします。
それではまた。
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