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2012年09月21日(金) |
漢字「書けなくなった」6割 文化庁調査 慣用句の誤答も←これには、冷や汗をかきました。 |
◆記事:漢字「書けなくなった」6割 携帯・パソコン普及で急増 昨年度、10年で25ポイント増 文化庁調査(日本経済新聞 2012/9/20 21:56)
漢字を正確に書けなくなったと感じる人が6割強に上ることが20日、文化庁の2011年度「国語に関する世論調査」で分かった。
01年度に行った前回の調査より25ポイント増えた。漢字変換機能のあるパソコンや携帯電話などが普及し、
文字を手書きする機会が減ったことが影響しており、同庁は今後もこの傾向は拡大すると予想している。
今年2〜3月、全国の16歳以上約3500人に尋ね、約2000人から回答を得た。
情報機器の利用による日常生活への影響を複数選択で聞いたところ、
「漢字を正確に書く力が衰えた」が66%でトップ。
年代別に見ると、20代から50代は7割強に達し、前回より20〜30ポイント程度増えた。
学齢期の16〜19歳は48%で平均より低かったが、文化庁の担当者は
「現代の子供たちは手書き能力の形成過程で情報機器を利用し始め、書けない子は今後さらに増える。
国語指導のあり方も検討する必要が出てくるだろう」としている。
◆慣用表現にも誤答多く にやける→薄笑いを浮かべてる? 割愛する→不要なもの切り捨て?
国語に関する世論調査では、慣用表現の使われ方についても調べた。
誤用が多いとみられる慣用句5つの意味を選択式で尋ねたところ、
「うがった見方をする」
「にやける」
「失笑する」
「割愛する」
の4つで、本来の意味ではない回答が上回った。
「にやける」は本来の意味の「なよなよとしている」(14%)を「薄笑いを浮かべている」(76%)が圧倒。
「煮え湯を飲まされる」は正答の方が多かった。
正しいとされる表現はどちらかという問題では、
「本心でないうわべだけの巧みな言葉」として「口先三寸」(56%)が本来の「舌先三寸」(23%)を大きく上回った。
「快く承諾すること」でも「一つ返事」(46%)が本来の「二つ返事」(42%)より多かった。
文化庁の担当者はこうした結果に「言葉は変化し続けるものなので間違いとは言い切れないが、
認識のずれが世代間のコミュニケーションを阻害することも考えられる」としている。
◆コメント:今朝、この記事を読んでギョッとしました。
ギョッとしたのは「漢字が書けなくなった」「慣用句の意味を誤解していた」の両方に該当したからであります。
尤も、「漢字を書けなくなった」ことにはだいぶ前に気がつき、数年前から毎日数分でも手書きで文字を書くようにしているので、
かなり回復しましたが、何しろ、最近では、このようにキーボード入力により、パソコンディスプレイに正しい日本語表記が
現れれば、仕事になりますから、何ヶ月も手で文字を書かない時期がありまして、あるとき、「武蔵野市」と書こうとして、
「蔵」の字が書けなくなっている自分に気付き、大袈裟にいいますと、真っ青になりました。
それから、毎日、何でも良いのです。「漢字練習ドリル」のような「教材」を書かなくても、
例えば新聞の見出しをそのまま、メモ用紙に書き写すとかですね。
「今、この瞬間、なにもみないで『せんかくしょとう』と手書きできるか?」などと自問してみると、
如何に書けない(書けなそうな)漢字が多いか、わかります。
この際、今まで書けなかった、「薔薇」とか「醤油」とかを意識的に覚えてみる、等々。
とにかく、目の前にパソコンがない、と思い、5分間は手で漢字を書くと。
文章でなくて構わないので、とにかく、書くということです。
◆慣用句には焦りました。
「にやける」の正解は「なよなよとしている」とは!調べると、「にやけ」は「にゃけ(若気)」が語源で、
「若気」とは鎌倉・室町時代の男娼のこと。だからなよなよしてるわけです。知らなかったですね。
「失笑する」も「苦笑する」と混同するのでしょうね。「笑う気ににもならないほど、呆れる」という意味だと思っていたら、
「こらえきれず、吹きだしてしまう」という意味で使っている例を見たことがないような気がしますが「広辞苑」をひくと、
確かに、そのように書かれています。
「割愛する」は、単に「省略する。はぶく」の意で使いがちですが、正しくは、
「惜しく思うものを思いきって手放したり省略したりすること」。
言われて気付きましたが、「愛」を「割る」のですから、大事にしていたものを思い切って手放す。なるほど。
ひとつだけ、「うがった見方をする」。広辞苑で「うがつ(穿つ)」をひくと、1番目には文字通り「穴を開ける」とありますが、
次に、
せんさくする。普通には知られていない所をあばく。微妙な点を言い表す。「―・ったことを言う」「―・った見方」
とありますが、メディア報道とは逆に「物事の本質を捉える」という意味は「穿つ」にないのです。
天下の広辞苑ですから、果たしてどちらが正しいのか。
正確を期するために、プロの著述業の方は、複数の同種辞典をもっていてクロスチェックするといいます。
国語辞典だけではなく、慣用語辞典を「読む」といいのかな、と思います。
「辞書を読む」のは、少なくとも紙の辞書の時代には、さほど珍しい行為ではなく、
北杜夫さんでしたかどなたでしたか、高名な小説家が意識的に「広辞苑」を読むことにしている、
と書いておられましたし、同時通訳の神様、國弘正雄先生は「辞書は読むもので、文法書は引くものだ」と
おっしゃっています。
日本語のボキャブラリーを増やすことを目的は異なりますが、故・司馬遼太郎氏は毎日、百科事典を一項目ずつ
読んで、覚えておられたと言う話も読んだことがあります。
ひとそれぞれで、「慣用句ドリル」もいいでしょうし、ネット上にも様々なソースがあります。
国語力は母国語の運用能力ですが、外国語と同様に「語学力」と認識し
意識的に維持、向上させないと運用能力が落ちる、と思っていた方が良さそうです。
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