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2012年06月22日(金) |
【音楽】お薦めDVD「ベスト・オブ・カラヤンの遺産」 |
◆カラヤンは嫉まれますが・・・。
お薦めするのはベスト・オブ・カラヤンの遺産というDVDで、
1,707円って、これはお得ではないかと思います。
私は、所謂「オーディオ・マニア」ではないので、再生音質とかあんまり気にしないから、
そういうのに五月蠅い・・・というと失礼ですか・・・拘る方はご不満かもしれませんが、
こういうのを見ると、つくづく、オーケストラは見るものだ、と思いますね。
先日山本直純さんの偉大さについて書きましたが、カラヤンも同様で、
多くの人に最高の演奏を聴く楽しみを教えてくれました。
彼のおかげで、音楽やオーケストラを聴いたり見たりする楽しみを覚えて人は大変多い。
人間は嫉妬深いですから、大金持ちになったカラヤンを知っている人達は、このような多数の録音や録画をみると、
カラヤンは音楽を金儲けに使った、とか悪く言いますが、揚げ足をとるわけではありませんが、
プロの音楽家は、音楽を聴かせて生活の糧を得ているのですから、その意味では全員、同じです。
但し、クラシックの音楽家でカラヤンほど、印税で儲けた人って、多分初めてなんで、嫉まれますが
以前ご紹介した、ドキュメントカラヤン・イン・ザルツブルクを見ると、
カラヤンは本当に音楽に忠実な人だったことが分かると思います。
少なくとも私はそう、思います。
今回ご紹介するDVDから話がそれますが、ドキュメントカラヤン・イン・ザルツブルクの中から。
これは、以前ご紹介しましたけど、韓国のソプラノ、スミ・ジョーがバッハのロ短調ミサの歌だけの(ピアノ伴奏での)
リハーサルに来て、すっかりカラヤンに気に入られる所ですね。
BachMassHmoll.BWV 232
あの目を瞑って指揮するカラヤンしか知らないと、何だか気障なオッサンですが、
実に人情細やかですね。夜の女王とはモーツァルトの魔笛の中で、これは1幕ですけど、
後に出る、「復讐の心は炎のように胸に燃え」というアリアは、あらゆるソプラノのレパートリーで最高音の
高いファの音まで要求されるのです。「機関銃のように歌わなければならない」とカラヤンが言ってるのは
そのアリアです。そういうのを歌うのはものすごく喉に負担がかかるから、指揮者が誰かも知りませんとか、
軽々しく引き受けちゃいかんよ。喉を大事にしなさいよ、といってるわけです。
◆「ウィリアム・テル」でも、全身全霊のカラヤン。
最近はブルックナーだショスタコーヴィッチだ、やれウェーベルンだ、なんだかんだ、と
大曲や、それから、今まで知られていなかったような曲を見つけるのが流行り(というか昔からいましたけど)のようで
そういうのがお好きな方は、口が裂けても「ウィリアム・テル」序曲が好きだ、などといわないでしょうが、
私は好きです。ご覧頂くのは、「ベスト・オブ・カラヤンの遺産」の最初に収録されている、1983年のジルベスター(大晦日)コンサートです。
こういう曲でも、全然手を抜かずに、全身全霊で振るカラヤンを見ると感動します。
ちょっと話がそれますが、家内(一応、音大でピアノを勉強してます)にそう言ったら、
「そんなの、音楽家だったら当たり前よ。ウィリアム・テルだろうが、軽騎兵序曲だろうが、本当に音楽が好きなら『手を抜く』なんて、発想そのものが出ない筈ですよ。」
と完璧な確信を以て断言するので、今更ですが、見直しました。いや、これは蛇足でした。
では、そのカラヤンの1983年12月31日「ジルベスター・コンサート」での演奏。
ロッシーニ、歌劇「ウィリアム・テル」序曲です。
GuillaumeTellOverture
カラヤンも本気ですが、ベルリン・フィルの大先生方も、物凄く本気ですね。
そして、ドイツの聴衆は正直ですね。クラシック好きを標榜するなら、ウィリアム・テル如きに喜ぶなんて
沽券に関わる、と考えている自称「クラシック・ファン」が日本には大勢いますけど、彼ら、聞きました?
「ブラボー!」ですよ。
曲が何だろうと名演は名演。楽しいものは楽しい。それが音楽ですね。
もう一曲だけ。「魔弾の射手」序曲。
何故かというと、安永さんがサブ・コンサートマスターだから。
これは、1985年のジルベスター・コンサートです。
この時は、安永さんは、サブ・コンサートマスターの席ですが、この年の5月に正式な
コンサート・マスターに就任し、初めてのジルベスターです。
この頃のメンバーを見ると、すごい大先生ばかりです。
安永徹さんは83年からプローベ・ツァイトの1年半、大先生たちと、
カラヤンに観察され、毎回の本番がテストのようなもので、最後にメンバー全員の議論と投票で、
正式にコンマスに就任したのです。ものすごいことだと思います。
能書きはこの辺でおわります。音楽。
カルロ・マリア・フォン・ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲。
Der Freischutz Overture
分厚い響きがたまりません。
このDVD、いいですよー。他には、カラヤンが亡くなる前年のジルベスターで、
キーシンと最初で最後の共演(チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番)やウィーン・フィルとの「新世界より」
ベルリン・フィルとのボレロ。ウィーン・フィルのニューイヤーを振ったとき、キャスリーン・バトルを招いての
「春の声」(覚えてる方、多いでしょ?)など盛りだくさんです。
楽しいと思います。
皆様、どうぞ良い週末をお過ごし下さい。
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