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JIROの独断的日記
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2006年06月22日(木) 今晩のN響アワー(打楽器特集)は面白いと思いますよ。

◆番組紹介記事:N響アワー 「もっと知りたい!今日の主役は打楽器▽団員の植松透が語る打楽器奏者の仕事とは」

[詳細] N響アワー◇N響定期公演からの演奏とともに、あるパートの奏者をスタジオに迎えてその素顔や仕事ぶりを紹介するシリーズ。

1回目のゲストは、打楽器奏者の植松透。本番中の表情などを定点観測して、楽団員の緊張感など舞台裏を公開する。

またスタジオでは、N響演奏でのエピソードやオーケストラで使われるさまざまな打楽器について解説。

さらに少し変わった打楽器が登場した曲目や、特に苦労した曲目などの思い出を聞きながら作品を紹介する。


◆コメント:打楽器が易しいと思ったら大間違い。

世間は先入観、若しくは見た目の印象で物事を判断する。

打楽器=タイコ→誰でも出来ると思われがちである。

それに加えて、クラシック系の打楽器奏者はジャズその他の音楽で使われる「セット・ドラム」を演奏することは無い。これがまた偏見を生む。

セットドラムはスネアドラム(小太鼓)と複数のタムタム(小太鼓の裏側にスネア=金属線を貼っていないもの)、そして両足でシンバルとバスドラム(大太鼓)を操る。

目にもとまらぬ早業でセット・ドラムを演奏するのに比べると、クラシック・オーケストラの打楽器は、一人で1つずつの楽器を担当しているし、

最も重要な打楽器であるティンパニですら、音を出していない時間の方が長い場合も多い。

しかし、叩く音の数が多ければ難しく少なければ易しいと言うものではない。


◆ティンパニ

例えば、ティンパニ奏者は、打楽器である以上、正確にテンポを維持する事が出来なければならないのは、当然であるが、

同時にティンパニは、バス=低音楽器としてオーケストラの響きを下から支える役割を持っている。

従って、ティンパニ奏者には、バス奏者としての音程感、音色感、音量感、が無ければならぬ。



交響曲を演奏する場合、各楽章でティンパニの調律を変更するのは、ごく普通のことである。

それは、楽章の間のごく短時間に、ヘッド(太鼓の皮、振動面)ギリギリに耳を近づけて、ペダルを操作しているのである。

また、リズム感と「ノリの良さ」は異なる。

クラシック以外の音楽でセットドラム奏者はしばしば8ビート、16ビートで刻みを入れているが、ああいうのは、むしろ易しい。

ドヴォルザークの交響曲「新世界より」の第3楽章を聴いて頂きたい。

冒頭にドンドコドンドン、と叩くのは、比較的容易である

しかし、その後弦楽器が早い3拍子を弾いている最中、ティンパニがソロで、「ダダダン!」と入る場所がある。

あそこをCDに合わせて膝でも机でもいいから、合わせてご覧なさい。絶対に入れない(遅れる)はずである。

これが、「ノリの良さ」とは異なる「リズム感」である。



さらに、ティンパニは大きな「タイコ」であるから、一度叩くと(低い音ほど)放っておけばいつまでも音が鳴っている。

それでも良い場合と、叩いた次に瞬間に、バチを持つ中心となる親指、人差し指以外の指を用いて、素早くヘッドを抑え、音を切らなければならない場合が、頻繁にある。

イッパツ叩いて、一拍分鳴らして、止める、というのなら易しいが、音楽によっては叩いては止め、次の瞬間また叩き、また止める、という動作を繰り返す。

止めることでモタモタしていると、次の音が必ず遅れる。かなり敏捷な動作が求められる。


◆休みの小節数の勘定

他の打楽器の演奏上、極めて重要なのは、休みの小節数を数えることである。

ティンパニ以外の打楽器はもっと音を出す機会が少ないが、だからといって、ぼんやりしているのではない。

何度も演った曲ならさほど心配要らないが、初めて演る曲の場合、パート譜には一小節の中に棒がひいてあり、そのうえに「47」などと書かれている。

「47小節休み」ということである。それが、ずっと同じ拍子ならまだ良い。例えば4拍子の曲なら、頭の中で「1、2.3,4.」と数えながら指を折りつつ数える。

だが、近現代の曲はしばしば途中で拍子が変化するので、それをスコア(総譜)を読んで覚えておかないと、絶対に数え間違える。


◆シンバル

シンバルは、「カルメン前奏曲」で大活躍する。「あんなの簡単だろう」と思うだろうが、そうではない。

実際に持ってみると分かるが、シンバルは真鍮を叩いて引き延ばして作る。かなり重い。それを考慮に入れないと、必ず、遅れる。

だからといって、不必要な力を入れて両手をたたきつけたら、汚い、うるさい、音が出る。

シンバルの音色は「ジャン」よりも「シャン」に近いのが理想である。

理想の音色を保ちながら、ドンピシャリのタイミングで発音するには、不必要な力を入れないことを念頭に置き繰り返し練習することが不可欠である。


◆トライアングル

トライアングルは、オーケストラで一番安い楽器であるが、傍で音を聴いたのでは、本当に澄んだ、美しい音が出ているか分からない。

2人一組となり、一人は客席で音色を確認することが、楽器選定の際にはどうしても必要である。

また、単純な金属棒であるが故に、叩く場所によっては、濁った音が出る。

100回叩いて、100回とも美しい音色を出せるようにするためには、楽器を揺らさないこと、

その楽器で最も美しい音が出るポイントを発見したうえで、何度でも練習することが必要である。

そして、トライアングルのロール。有名なところでは、「ウィリアム・テル序曲」の「嵐の後の静けさ」の終わりに長いトライアングルロールがある。

トランペットのファンファーレの直前まで続く。これは、下手な奏者が叩くと音色にムラがでる。

きめの細かい、一定の音色でのロールを実現する為には熟練を要する。というような話が出るのではないか。楽しみである。

あ、もう、始まってしまった。


2005年06月22日(水) 日本の高度成長期は最早終わったのに、いまだに世の中は忙しすぎる。
2004年06月22日(火) 「イラク戦争は今でも正しいと思っている」(小泉首相) そうですか。それでは伺いますが・・・。
2003年06月22日(日) ウィンブルドン・パーク・ロード

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