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2012年05月12日(土) |
【音楽】4年ぶりの「ヴィオラ特集」。バッハ、テレマンからバルトーク、パーシケッティまで。 |
◆全く偶然なのですが。
先日、新聞で、5月26日から東京、四ッ谷の紀尾井ホールで、第2回東京国際ヴィオラコンクールが開催される
との情報を目にしました。
それを昨日、5月11日Twitterに書き込んでいたのですが、その間に、以前、弊日記・ブログで
ヴィオラ音楽特集を組んだ事があったのを思いだし、自分の日記を検索したら、全く偶然ですが、
ちょうど4年前、2008年5月11日でした(ウェブ日記エンピツの日付は10日ですが)。
2008.05.11 ヴィオラによる音楽特集
偶然とはいうものの、これは5月11日は、私にヴィオラを思い出させる日なのかな?と
強引に関連づけまして、今回4年ぶり2回目の「ヴィオラ音楽特集」を組みます。
◆バロックから現代まで。
4年前は、私の分かる範囲ですので、バロックから古典派ばかりでしたが、
前回、相互リンクを貼らせて頂いている、ふっこのおえかきちょうのプロ・ヴィオラ奏者、ふっこ様から、
ブログにコメントを頂戴し、私が全く知らなかった作曲家、作品(ヴィオラを中心とした)を教えて頂きました。
今回は、それを参考にさせて頂きました。
普通なら、時系列どおり、過去→現代に並べるでしょうが、敢えて順番を交互にしました。
◆テレマン:ヴィオラ協奏曲。
テレマンがヴィオラ協奏曲を書いていることは意外に知られていません。
4年前も取り上げましたが、もう一度。
なお、5月末に世界的にも珍しい、しかし、長年有名な・ソロ・ヴィオリスト、ユーリバシュメットが東京、オペラシティで
コンサートを開きますが、そのプログラムに、この、テレマンの協奏曲が含まれています。
ユーリ・バシュメット&モスクワ・ソロイスツ ソプラノ:森麻季 2012 ジャパン・アーツ
それでは早速。
テレマン ヴィオラ協奏曲 ト長調 第四楽章 Presto
Telemann Viola Concerto Ⅳ Presto
私は、こういうのが好きですね。
音源は、いちいち買ってたら大変なので本当はナクソス・ミュージック・ライブラリーへの入会をお奨めしたいのです。
ダウンロードは出来ずストリーミング配信だけですが、CDを手許に置く、ということに拘らなければ、そして演奏者の選択肢が限られること
にさほど執着しない(Naxosは無名でも上手い人が多いです)なら、月額1,890円(税込み)で聴き放題です。
便利な世の中になったものです。
ただ、念のため、CDを購入したい方もおられることでしょう。
その場合、音源は、テレマン:ヴィオラ協奏曲/リコーダー組曲 イ短調/ターフェルムジーク(¥ 921)です。
◆バルトーク:ヴィオラ協奏曲 、ブロッホ:ヴィオラ組曲。
最初に音源にリンクしておきますと、 バルトーク:ヴィオラ協奏曲/ブロッホ:ヴィオラ組曲(¥ 2,230)です。
バルトークもブロッホもこの1枚です。
テレマンは、(1681-1767)。17世紀に生まれ18世紀に活躍した人ですね。
その200年後の20世紀を代表する作曲家。ベラ・バルトーク(Bela Bartok (1881-1945))。
バルトークは本当にちょうどテレマンの200年後に生まれているのですね。今気がつきました。
そのバルトークのヴィオラ協奏曲の終楽章です。
バルトーク:ヴィオラ協奏曲 第三楽章
Bartok Viola Concerto Allegro vivace
当然のことながら、響きは斬新ですが、元々ハンガリー人ですから純粋な「西洋音楽」とはことなる、
東洋的な響きがします。コダーイとか、エネスコとか、皆、そうですね。
もう一曲。ヴィオラ奏者の間では常識的な有名曲のようです。
エルネスト・ブロッホ(Ernest Bloch (1880-1959))。
バルトークと同じ時代を生きた、ユダヤ系スイス人ですが、バルトークと同様、後にアメリカに移住して亡くなってます。
ヴィオラ組曲をかいています。
エルネスト・ブロッホ:ヴィオラと管弦楽のための組曲 終曲
Ernest Bloch Viola Suite IV Molto vivo
ブロッホはバルトークよりも一層東洋的な響きがします。あたかも日本人の作曲家が
日本の何処かの民謡というか伝承曲をテーマに書いたのではないか、というような気さえします。
◆モーツァルト:協奏交響曲 K.364
はい。バルトーク、ブロッホから再び、100数十年戻りましてモーツァルト(1756-1791)です。
彼は何でも直ぐに弾けてしまった、人類史上真の意味での唯一の本当の「天才」で、
ヴァイオリンを他人が弾いているのを見ているだけで弾けてしまったといいますが、
それはさておき、ヴィオラが結構好きで、上手かったらしいです。
ソリストが、ヴァイオリンとヴィオラの「協奏交響曲」という曲があります。
これは比較的、演奏される頻度が高いのではないか、と思います。
この曲を聴くと、ヴァイオリンと音が比較できるわけですが、ヴィオラという楽器は、
単純に「アルト・ヴァイオリン」でも、「ピッコロ・チェロ」(ヴィオラはチェロよりも音域がちょうどオクターブ高いのです)
でもなく、「ヴィオラ固有の音(音色)」があるのだ、ということが分かります。
この音源はは、ヴァイオリンをパールマン、ヴィオラをズッカーマンが弾いた、モーツァルト:協奏交響曲です。
モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調 K.364 第3楽章:Presto
Mozart: Sinfonia Concertante In E Flat, K 364 - 3. Presto
うーむ。折角私にしては極めて例外的に20世紀の作曲家まで取り上げている最中に
このようなことを書くのも何ですけど、モーツァルトってやはり、桁違いですね。
まあいいや。次へ参ります。
◆「イギリスのヴィオラ作品集」から、ゴードン・ジェイコブのヴォオラソナタ。
これもナクソス・ミュージック・ライブラリーにあるのですが、一応、CDも。
音源は、English Viola Sonatas(¥ 924)です。
全然、知りませんでしたが、4年前に「ヴィオラ音楽特集」を組んだときに、ふっこ様に教えて頂きました。
ゴードン・ジェイコブ ヴィオラ・ソナタ第2番 第一楽章
Gordon Jacob Viola Sonata No. 2 I. Allegro moderato
余り慣れていないので、もう少し馴染んでみないと何とも言えませんが、
英国の作曲家でこれほどヴィオラソナタを作曲した人が多いとは全く知りませんでした。
◆ベートーヴェン ヴィオラとチェロのための二重奏曲
ベートーヴェン先生も意外と色々な曲を書いてますね。
例えば、ピアノだけやっているひと、ベートヴェンが「ホルン・ソナタ」を書いてること、
知ってます? 本稿の主題から外れますからそれは、さておき、
珍しいのはヴィオラとチェロの為の二重奏曲なんていうのを書いています。
非常に珍しいです。
ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲はモーツァルトが書いてます。
また、チェロとコントラバスの為のデュエット曲も結構あるのですが、
ヴィオラとチェロという組み合わせは、他にもありますが、やはり大変に少ない。
音源は、ヴィオラの芸術(ヒンデミット/ベートーヴェン/シューマン/ヘンデル/ブリテン)
ベートーヴェン ヴィオラとチェロのための二重奏曲から第二楽章メヌエット
Duo in E flat major for Viola and Cello
はー、と感心するぐらい、良く合いますね。ヴィオラとチェロは調弦は同じでチェロがオクターブ低いのですね。
このため、フィンガリング(運指)とボウイング(運弓)が一致するのでしょうね。
音域的にもちょうど、耳に心地良いです。
流石にベートーヴェン先生、目の付け所がいいですね。
◆ヴィオラとトロンボーンの合奏です。パーシケッティ、セレナーデ6番。
ヴィオラとトロンボーンとは、普通なかなか思いつかないですね。
これは、ヴィンセント・パーシケッティ - Vincent Persichetti (1915-1987)という、
現代アメリカの作曲家の作品です。
全部だと長くなるので一番最後第7曲。「ダンス」としか書いてないのですが、それをお聴き頂きます。
パーシケッティ:セレナーデ 第6番 第7曲
Vincent Persichetti Serenade No. 6 for Trombone, Viola and Cello: VII. Dance
この人は私は全く知りませんでした。
知ったかぶりすら、出来ませんが、ヴィオラとチェロとトロンボーンの三重奏という発想自体が既に大変ユニークです。
◆慣れない曲で何となく落ち着かないので、バッハで終わります。
自分自身がよく知らない曲のご紹介というのは、大変恥ずかしいのですが、
なんとか、ヴィオラ音楽、下手すると一生知らないで終わった曲を聴けたと思います。
但し、慣れない曲が多いと落ち着きが悪いので、最後はブランデンブルク協奏曲第6番。
これは、ヴァイオリンがなくてヴィオラばかり。しかし、ヴィオラを主体とする曲で最もお馴染みかもしれません。
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第6番 BWV1051 第三楽章
Brandenburg Concerto No. 6 in B flat major, BWV 1051 III. Allegro
こういうのは、あたかもコンサートプログラムの曲順を決めるかのようで難しいですね。
時系列にすると、現代曲はあまり・・・という方は、途中で聴いて下さらなくなるのではないか?
と思いまして、時代を行ったり来たりしたのですが、如何でしたでしょうか。
冒頭に書きましたけれども、第2回東京国際ヴィオラコンクール。
リンク先は公式サイトでして、日程をご覧になると分かりますけれども予選から本選まで全て公開されます。
本選と入賞者のコンサートは有料(といっても2,000円と3,000円ですが)ですけれども、
第1次審査、第2次審査は、「全自由席/入場無料/要整理券」です。スケジュールをご覧下さい。
ユーリ・バシュメット&モスクワ・ソロイスツ ソプラノ:森麻季 2012 ジャパン・アーツも空席ありです。
別に私は、関係者ではございません。あくまでご参考です。
皆様、楽しい日曜日をお過ごし下さい。
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