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2007年05月12日(土) |
世界最古のオーケストラの音。その他、今日はコンサートです。 |
◆名歌劇場には名オーケストラがいる。絶対。
前回の記事に書いたとおり、日本のソプラノ、森麻季さんはドレスデン国立歌劇場の「ばらの騎士」で歌われました。
11月、この歌劇場が(建物は別として)まるごと日本に来て、同じばらの騎士を演り、森さんがゾフィーを歌う。
なんだか、チケット買えそうにないですね。私のブログにも「森麻季」で検索して来る方が非常に多いのです。
それはともかく。人々はオペラになるとどうしても歌手の歌や声に注意が向かい、オーケストラはあまり聴いておりません。
歌劇場のオーケストラはオペラでは「伴奏」ですが、名歌劇場のオーケストラは必ず上手い。
当たり前です。
名歌手を集めても、「アイーダ」でトランペットが「プヘー」とかボロボロだったら話にならない。
◆シュターツカペレ・ドレスデンが「金と銀」を弾く。
森さんの伴奏をした、シュターツカペレ・ドレスデンの「ウィンナ・ワルツ集」というCDがあります。
ウィンナーワルツ=シュトラウス一族と考えがちですが、このCDではレハールという人を取り上げています。
オペラの軽いのを喜歌劇=オペレッタ、といいます。はっきり言って、歌劇=オペラより、一段格が低いものと見なされています。
一般的には、そうかも知れないのですが、レハールというひとの「メリーウィドウ」(楽しい未亡人)というオペレッタなどは、
実に実に、美しいメロディーに満ちあふれています。バカにしたもんじゃない。
しかし、オペレッタを一曲載せるわけにはいかないので、「金と銀」というワルツを聴いていただきます。
普通だとクラシックの「ポピュラー名曲」に分類されて、まともなオーケストラ・指揮者が演奏しない。
ところが、ここでは、ルドルフ・ケンペという人が、オーケストラを大編成にして、大変重厚な響きを作っています。
旋律を心を込めて弾く。その真剣さに引き込まれます。
超一流オーケストラが本気で弾くと、「金と銀」がこうなるのか、ということです。
ダウンロード GoldandSilver.mp3 (8041.8K)
曲の節目節目で次の部分に移るときの締めくくり方の丁寧さ、次の旋律の開始で思い切りテンポを落とすところが印象的です。
聴き手の身体の隅々にまで音楽が、ズシンと響きます。
こういう曲でも全く手を抜かない。名演です。このオーケストラの伴奏で歌う森さんの緊張は並大抵ではないと思います。
権威ということだけじゃなくて、音、音の響きが厚いから、透る声でないと客席に聞こえないです。まあ、オペラ指揮者は心得ていて、
歌手の声が聞こえなくなるようなデカい音を出さないようにしてますが。それでも大変ですよ。
◆読者の皆さんの感受性は素晴らしいと思うのです。
音楽は人を試す「道具」ではありませんが、一般的に精神的な成熟度が増すにつれて、音が弱く、テンポが遅い、
「静かな音楽」を聴いていられるようになります。子供は、賑やかな方が好きです。
ここで、誤解を避けるために書きますが、テンポが速く、音量が大きい音楽を好む人が未成熟だ、という意味ではありません。
私とて、今でもフル・オーケストラでドカーンというのも大変好きです。
ただ、一般論として、年齢を重ねて、ある程度精神的に大人になると、
静かな音楽の良さが若い頃よりも分かるようになる、という私の経験則を述べているだけです。
その意味では、読者の方々のほうが、私よりもずっと大人のかたが多い。
私は長いこと聴いているから、知ったかぶりは出来ますが、音楽の本質を受け止める感受性はあまり無いと思います。
それにひきかえ、多くの読者の方は、
「今まであまり音楽、又はクラシック音楽などきいたことが無かったけれど、昨日のバッハはとてもよかった。」
とか、
「マーラーのアダージェットがとても気に入った」
などと仰るのです。
素晴らしい感性をお持ちです。こちらが、たじたじとなるぐらいです。
お世辞でも何でもありません。私の素直な感想です。
◆そこで今日の後半は、静かな、穏やかな音楽を集めました。
たまには好きなことを思い切り書きたい、と思っていて、それを実行してしまったので、すっかり、前置きが長くなりました。
曲に行きます。
静かな曲を並べるときに、同じ楽器、編成だと、いくらなんでも飽きるので、工夫したつもりなのです。
アルビノーニ、オーボエ協奏曲作品9-2のアダージョです。
ダウンロード ALBINONIAdagio.mp3 (5399.4K)
有名なヘンデルのオンブラ・マイ・フをトランペットとオルガンで演奏しています。トランペットもオルガンも女性です。
ダウンロード BibiOmbramaifu.mp3 (2925.6K)
穏やかですが、一旦、少しテンポが速いのを挟みます。バッハ「オーボエとヴァイオリンの為の協奏曲」第一楽章
ダウンロード BWV1060Oboe.mp3 (4356.1K)
次は、プッチーニのオペラで日本を舞台にしていることで有名な「マダム・バタフライ」(蝶々夫人)から。
コーラスとオーケストラによる演奏(ソロがいないのです)で、珍しいのは、歌詞がない。
「ハミング・コーラス」といいます。穏やかな中に、切なさを感じます。
ダウンロード HummingChorus.mp3 (2655.1K)
最後は音楽の神様。モーツァルトが書いたわずか26小節の、しかし、身動きできなくなるほど美しい、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」です。
ダウンロード AveVerumCorpus.mp3 (2596.5K)
如何でしたでしょうか。
それでは、また。
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