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2004年05月12日(水) |
全国紙のみならず、北海道新聞から沖縄タイムズまで今朝の社説は「年金」。一つの事しか見えなくなる国民性。 |
◆コメント:全国の新聞のコラム・社説リンク集を見てみた。
便利なサイト、というか、ページがある。新聞コラム社説リンクである。念のために書いておくがコラムは朝日の天声人語、毎日の余禄、の類である。社説は説明するまでもあるまい。
東京にいると、日本の新聞は朝日、読売、毎日、日経、産経、ぐらいしか無いような錯覚に陥るが、とんでもない話で、このサイトを見ると、いかに日本に多くの新聞社が存在して、毎日独自に論説委員が社説を書いているのだ、という、当たり前のことを再認識する。
大新聞が正しくて、地方紙は取るに足らないなどと考えるのは、先入観というもので、全国紙と地方紙を読み比べていると、時に、朝日がとんでもなく見当違いを書いていて、地方紙の方が、ずっと論理的で、正論を展開していることが、良くある。
ところが、日本人の国民性と云ってかまわないと思うが、何か少し大きな問題が内政なり、外交で勃発すると、実に見事に日本中が「その事だけ」に意識が向いてしまう。今日は、言うまでも無く「年金」だ。
◆記事:全国紙・地方紙の、今朝の社説のテーマ
- 朝日 ■年金改革――すべてはこれからだ
- 読売 [年金改革審議]「抜本改革で不信の連鎖を断て」
- 毎日 チェチェン 憎悪の対立から抜け出せ
- 年金法案衆院通過 見切り可決は納得できない
- 日経 米中の金融引き締めに備えを(5/12)
- 北海道新聞 年金衆院通過*国民は納得していない
- 河北新報 年金法案衆院通過/国民感情と大きな隔たり
- 岩手日報 年金改革法案の可決
- 信濃毎日新聞 社説=新防衛大綱 「専守」の枠は外せない
- 北日本新聞 年金法案参院へ/やはり抜本改革が必要
- 山陰中央新報 年金法案衆院通過/論議尽くし抜本改革を急げ
- 山陽新聞 防衛大綱見直し 新たな脅威に慎重議論を
- 愛媛新聞 年金法案が衆院通過 「抜本改革」の公約はどうした
- 高知新聞 【民主党】政権政党へ道はるか
- 南日本新聞 【年金改革法案】社会保障全般の一体的な見直しを
- 熊本日日新聞 年金法案可決 国民の不安にこたえたか
- 沖縄タイムズ 年金法案衆院通過・参院は徹底した論議を
◆コメント:危険が高まっているサマワに言及した社説は一つも無い!
ご覧のとおりである。
年金が大事ではない、といわないが、法的性格に着目すると、国民年金法をどうするか、という、実にマイナーな、行政法の問題である。
これに対して、サマワに派遣している陸自や、クウェートから、米英軍の物資をC-130輸送機で運んでいる空自の活動は、まずなによりも、憲法問題であり、イラク復興支援特別措置法の規定にも反していることは、昨日書いたとおりである。
素人の私ですら、すぐに「ハッ」と気がつくような緊迫した事態なのに、なんということであろう。全国紙のみならず、北は北海道新聞から、南(というか、西というか)は沖縄タイムズまで、政府の憲法およびイラク復興支援特別措置法違反、陸自の安全確保の必要性に言及しているプロの論説委員がいない。日本に一人もいないのである。これは異常だ。
ちょっと前、イラクで日本人が人質に取られて、日本中が「自己責任論」に沸いていたのは記憶に新しい。
しかし、今日、日本中の新聞の紙面を探しても、多分、「自己責任」という単語は見つからないだろう。人質の自宅の住所と電話番号を2ちゃんねるに晒したやつも、それをみて、3人の人質に「死ね」という電話をかけた人々も、もしかすると、自分がそういうことをしたのを、忘れかけているのではないだろうか。
どうも、日本人が持っているらしい、このような傾向、つまり、超短期的に一つの事柄に極端に意識が集中し、その間、ほかで何が起こっても分からなくなってしまう性格特性は、十分に自覚しておく必要がある。
政治家が、何かまずいことがある場合、違うことで故意に騒ぎを起こす。すると、国民はそちらに飛びつく。政府は、しめしめとばかりに目的を達成してしまう。
実際に、年金問題で、「菅直人辞めろ」と、怒号が飛んでいる間に、新たな陸上自衛隊の部隊が、イラクへ行ってしまったではないか。狡い政治家にとっては、実に操作しやすい大衆だろう。
これは、各自が意識を持って、同時並行的に、世の中の問題を見据える習慣を身につけることによってしか、解決されない。
2003年05月12日(月) <睡眠指針>「昼寝は午後2時が理想」厚労省が“快眠のこつ” 日本でも「シェスタ」の時間を作るの?