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JIROの独断的日記
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2012年02月20日(月) 【テレビ】「ドキュメンタリー」は決して真実そのものではない。

◆ドキュメンタリー番組は、「演出」してるんです。

昨日、今日の何か特定の番組について書こう、というわけではありません。

たまたま、思いだしたのです。

ドラマは勿論、芝居。虚構の世界ですが、ドキュメンタリー番組という言葉には

なにやら、「真実をそのまま映像に収めた」という印象を、我々放送業界とは無縁の

素人は想像します。


しかし、それは間違いです。

私自身は、勿論、取材の対象になったことなどありませんが、

以前、同じ職場に、学生時代はあるスポーツでそこそこ有名で、

しかし、社会人になるときには、そのスポーツとは全く無関係に

普通に面接を受けて入社し、自分の仕事でこれもまた、そこそこ、

「出来る人」という「ことになっている」人物がいて(仮にA氏とします)、

何度もテレビが来たのを直ぐ傍で見たのでよくわかりました。


しばしば、「有名人の素顔」などという触れ込みがありますが、

テレビに映って日常通りに行動出来る人などいない、と思います。

テレビに映る、ということは、カメラは勿論ですが、それ以外にも、

まず、強烈な照明があります。あの光だけで、素人は特に、幻惑されます。

それ以外に、音声を録音しなければなりませんから、あの猫じゃらしのオバケみたな

マイクを棒の先に装着して、上から、音を拾おうとしてます。

カメラ、照明、音声の3人がずっと至近距離で控えている。

これだけで、既に十分「非日常」です。


意識するなと言われたとしても、到底そんなことはできない。

さらに。ある人物のドキュメンタリー番組を作ることを企画した時点で、

テレビ局は、どうやら、その人物をどのような人物像にするかを「決めて」いるのです。


ですからA氏に対して、これは本当に驚いたのですが、

「演技」を要求するのです。


現実の世界では、A氏は、かなり「威張っ」ていて、朝挨拶してもロクに

返事をしない、嫌な感じの人なのですが、テレビ局員はA氏に対し、

向こうから歩いてきて、部下のこの人の肩をポンとたたいて、「調子はどうだ」とにこやかに言って下さい。

と要求するのです。つまり、A氏の本当の人柄なんかどうでもいいのであって、

予めテレビ局が「この線で行こう」と決めてある、その「線」に無理矢理合わせるのです。

私は、当然、何も知らずにこの番組を見た人々は、「本当は普段から感じの悪い」A氏を

「爽やかないい上司」として記憶に留めることになるだろう、と思いました。


このように、テレビに映っていることは、「自然な日常を撮っている」ように

見せかけていますが、非常にデフォルメされていることが多いのです。

映像に映っていることは「ドキュメンタリーだから」といって全てそのまま

信用しては、いけません。

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