JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:FXカリスマ主婦のファンクラブ会員が利益の大半失った理由(NEWS ポストセブン 8月21日(日)16時5分配信) FX(外国為替証拠金取引)で1億円を稼ぐことは可能か? ◆コメント:要するにバクチなんですよ。 のっけから話が逸れますが、「カリスマ」という言葉が濫用されておりますが、 分からないときは、まず字引(じびき)を引くんだあ! 字引(じびき)等という言葉、最近の方は御存知無いでしょうが、狭義には「辞書(=辞典)」のことです。 「字」を「引い」て調べるから「字引」です。転じて、広義には「事典」「字書」の総称として用います。 (辞書、事典、字書の違いは、それこそ「字引を引い」て下さい。私はパソコンに広辞苑第六版を インストールしています。正確を期そうと思ったら、「字引」はおカネを出して買うものだと思います)。 父親の思い出とダブルのでしょうか、私はこの言葉の響きが好きです、がそれは私事です。 本論です。 為替市場といっても直物為替、先物為替、デリバティブも含めれば通貨オプション取引なども為替ですが、 記事に書かれている、外国為替証拠金取引というのは直物為替(スポット為替ともいいます) といって、ディーリングルームで取引する相場のなかでも、最も単純明快なのです。 要するに、「上がる」か「下がる」か、「動かない」。それだけです。丁半バクチと同じです。 通貨オプション取引などは、(例えば)ドルを対円で売る(買う)「権利」を売買するのです。 初めて聴いてもまず分からないので、説明は省略します。 さて、外国為替証拠金取引は、前述の通り、もっとも単純明快なスポット為替です。 単純明快であるから、素人でも理屈は直ぐに分かる。安く買って、高く売れば儲かる。 だから、経験が無い人が直ぐに始めますが、とてつもなく危険な市場なのです。 危険とは、普段はさほどではなくても、荒れた相場になると、物凄い勢いで乱高下(らんこうげ) します。含み益が出ている(買った値段より相場が上がっている。売った時より下がっている) 状態。これをディーラー用語で「フェーバー(favorのつもりです)」と言います。 問題は逆に動き出したときです「アゲンスト(against)」と言います。 この時にプロなら、冷静に対処するのです。損失が無限にならないよう、損切りのポイントも 自分で決めています。怖いのは今までビギナーズラックで儲かっていた素人さんです。 絶対に冷静な判断力を失い。じっとしていれば良いときにまで、いたずらに売買を繰り返し 当初、主婦のお小遣い稼ぎだったはずなのに、旦那さんに黙って預金を取り崩してまで 全部失ってしまい。真っ青になる。 これは、まさしく、賭博の麻薬性に近似しています。 先ほど、スポット為替取引が丁半バクチと同じだ、と書きましたが、 それは、取引の内容のみならず、感覚として「賭博性」がある、という点でも共通しています。 賭博性がある、ということは麻薬性がある。損しても「今度こそ取り返してやる」と思う。 これが危ない。 特に今まで、そういう経験が無い人は、全く免疫がないので、すぐ「依存」になります。 ◆私は、過去何度も素人が為替などやるものではない、と言っています。 自分の日記を調べたら、随分前から同じ事を繰り返しています。 2005.11.18 「組織的詐欺」と慰謝料も=外為証拠金業者に賠償命令−東京地裁 素人が外国為替に手を出してはいけません。 3番目は為替ではなく株のデイ・トレーディングに関してですが、素人がやることではない、 という点において共通しています。 昨年からは、Twitterで何度も書いています。 2010年09月17日(金)私は、ずっと仕事で為替を見てきた人間です。素人には「止めろ」とアドヴァイスするのが、本当の親切だと確信しています。 ですから、今日のコメントは、記事に 「震災直後の円高局面で、それまでの利益の大半を失ってしまった。」 人がいることを知り、初めて書いているのではありません。 一般に、「相場(市場)」の世界には、同じリスクがありますが、為替は、特に動きが速いので、アッというまに大損、 ということになりかねない。額に汗して働かずにあぶく銭を儲けようとするのは、感心しません。 銀行間市場のプロのディーラーは、物凄い取引回数を1日中こなしており、それ自体が心身をすり減らす重労働です。 プロとアマの差はここでも歴然としています。例えば、プロのスポット為替ディーラーは、 今日1日の何100件もの取引内容を全部覚えている。 それぐらい集中しないとダメなんです。まあ、自由経済、市場経済の国ですから個人の自由ですが、 外為証拠金取引会社のウェブ広告などにフラフラと惑わされてはいけません。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2010年08月21日(土) 「終わりよければすべてよし」とは・・・・・。
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