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2011年08月22日(月) |
「福島原発は廃炉にできない」(Newsweek日本版)←民主党代表選とどちらが大事な話でしょう? |
◆記事:福島原発は廃炉にできない(Newsweek日本版 2011年08月18日(木)13時08分)
福島の一角で巨大な事故を起こした原発が不安を与え続けている。放射能の塊を早く取り除いてほしい──
というのは、避難民や周辺住民のみならず、日本全体に共通した願いだ。
汚染水を海に投棄したときに抗議した隣国や、地球の裏側なのに甲状腺の被曝対策として
安定ヨウ素剤を買いあさった国があったことを考えれば、世界全体の願いと言ってもいい。
しかし放射性物質を外界に大量に放出した東京電力福島第一原発は、事故から4カ月を経た今になっても、
撤去の前提となる原子炉の安定すらできずにいる。
にもかかわらず、東電や政府関係者は確かな根拠があるとも思えない発言を続けている。
政府と東電は先週末、当初の目標としてきた「原子炉の安定的な冷却」に到達したという見解をまとめた。
菅直人首相は原発周辺の市町村長らに対し、来年1月の予定だった核燃料の熱を100度以下に安定させる冷温停止を
「前倒しで実現できるよう頑張りたい」と語った。
だが、冷却のために汚染水を浄化して循環させる「循環注水冷却」は6月末のスタートからトラブル続き。
先週も循環する水の量が低下するトラブルでシステムを一時停止した。
核燃料棒が溶けて塊になったり炉外へ溶け出していた場合、
冷温停止が困難を極めることは、多くの専門家の一致した意見だ。
燃料に水を行き渡らせ、効率的に冷やすことが難しいからだ。
福島原発の最終的解決は、すべての元凶である核燃料と放射性物質を取り除き、
原発を解体撤去する廃炉の実現にある。だが、それが実現するのはいつなのか。
政府は内閣府原子力委員会の中に廃炉検討チームを設置する方針だ。
廃炉に向けた政府と東電の中長期の工程表も近く明らかにされるだろう。
だが政府と東電は事故以来、事態が収束に向かっているように見せることにひたすらエネルギーを注いできた。
メルトダウン(炉心溶融)はおろか、それより深刻なメルトスルー(溶融貫通)が起きていたことも、
3カ月たってやっと認めたほどだ。
公表される廃炉スケジュールが「最悪の事態」を踏まえたものになるとは考えにくい。
前例のない事故を起こした福島第一原発には、今から廃炉に至るまでの過程にどんな専門家も
答えを知らない技術的難題が山積している。
廃炉には、事故を起こさなかった普通の原子炉でも30年程度の時間がかかる。
原子力委員会は福島の廃炉に要する時間を「数十年」と評しているが、
この「数十年」は限りなく100年に近い、
あるいは100年以上と考えたほうがいいかもしれない。
【建設より厄介な廃棄作業】
福島第一は破壊の程度がひどいため、事故処理にはほぼ永遠と言っていい時間がかかるだろうと、
京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は言う。
チェルノブイリ原発の石棺のように巨大な構造物で建屋を覆った上、
作業員の被曝を避け、放射性物質が外に漏れ出さないよう監視しながらの作業が必要だ。
「いま生きている日本人は誰一人、その終わりを見ることはないのではないか」
と、小出は言う。
福島第一は廃炉にもできず、放射能を閉じ込めた「悲劇のモニュメント」として半永久的に残る
──その可能性すら、政府や東電はまだ認めていない。
そもそも廃炉は原発から使用済み燃料を取り出し、構造物を解体撤去して更地に戻す廃棄作業だ。
原発を造るより長い時間と労力と巨額の費用が掛かる。
6月に国民投票で脱原発を決めたイタリアでは、
90年に停止が決まった福島と同じ型のカオルソ原発など4基の廃炉に取り組んでいる。
作業は2020年頃に完了する予定で、その費用は約7000億円に上る。
福島の場合、コストはその何倍にも膨らむはずだ。
廃炉は、これを請け負う原子力業界にとってはビジネスチャンスだ。
世界的な脱原発の流れも受けて、今後大きな市場になるとみられている。
「だが、福島だけは誰も手を出したがらないだろう」と、コンサルティング会社
ブーズ・アンド・カンパニーでエネルギー問題を担当するパウル・デュールローは言う。
「爆発した原発の廃炉が技術的に可能なのかどうかも分からない」
廃炉で最も重要なのは、核燃料を取り出すことと、
高濃度から低濃度まで放射能に汚染された廃棄物を処理することだ。
原発が冷温停止した後、放射線レベルが下がるのを何年も待ち、
低濃度のものから徐々に解体して最後に原子炉を撤去する。
その際、染み付いた放射性物質を分離・分類し、不純物を取り除いた上、
種類別にまとめて密閉容器に閉じ込めなければならない。
放射能を周囲に広げないための、原子レベルの超ハイテク技術だ。
だが爆発した原発の廃炉は、これまで誰も経験がない。
86年に爆発したチェルノブイリは廃炉にできず、今も放射能レベルが下がるのを待ち続けている。
設置から40年を経てコンクリートが浸食され、石棺はもはやボロボロの状態だ。
【日本版チェルノブイリに】
普通に運転停止した原発であれば燃料棒を束ねた燃料集合体を取り出せば済むし、
周囲の汚染も大したことはないと、かつて東芝で
原子炉格納容器の設計をしていた後藤政志は言う。
だが福島第一の場合は、大量の放射性物質が格納容器の外に漏れ出て、
建屋内部が放射能まみれになった。
「もはや普通の廃炉という概念は当てはまらない」と、後藤は言う。
燃料集合体は溶けてチーズのようになり、どこに流れ出したかも分からない。
周囲は壁まで放射能が染み付いている。
この状態からどうやって放射性物質を取り出すのか、もはや誰にも分からない。
物理的な障害も少なくない。
炉のふたに据え付けられている開閉用のクレーンは既に吹き飛び、
金属製のふたそのものも熱で変形していると考えられている。
ふたを開けるためだけに、専用クレーンを一から開発しなければならない。
「福島は廃炉にできない」と、後藤は言う。英科学誌ネイチャーは先週、
専門家の見解に基づく記事で、
数十年から場合によっては100年かかるとの見方を示した。
損傷した燃料を含めて原子炉内の放射性物質の除去に
長い時間がかかることなどがその理由だ。
記事は、放射能汚染の除去作業が2065年まで続く
チェルノブイリと似た状況になるだろうと指摘している。
福島第一原発の危機は、まだ現在進行形である可能性もある。
メルトスルーしたウラン溶融体が、地下深くに潜っていって
地下水を汚染する危険性を京大の小出は警告し続けている。
逆に炉心のすべてが崩壊していない場合は、
これからさらにメルトダウンが発生して
水蒸気爆発が起きる可能性もまだ否定し切れないという。
いずれの場合でも、今とは桁違いの放射能汚染が広がることになる。
廃炉もますます遠のくだろう。
事故の終わりは当面期待できず、待っているのは巨大廃棄物との果てしない戦いだけかもしれない。
汚染された原発周辺の土壌を完全に元に戻す技術も、人類は持ち合わせていない。
どれだけ巨大なふたで覆ったとしても、
「悲劇のモニュメント」は今後数代にわたって日本人を脅かし続ける。
◆コメント:状況は絶望的でも、真実を伝えるのがメディアの使命だ。
このニューズウィーク日本版の記事を書いたのは、日本人記者です。
この記事を読んで、暗澹たる気持になるのは事実ですが、私は知らないよりはいい、
と思いました。
日本政府も、東電も、本当は取材してニューズウィークと同程度のことは把握している
(もしかして、把握していない?)日本のマス・メディアは、情報を正しく国民に伝達していない
ということ自体が「不作為の罪」だと思います。
この記事が報じていることが、正確であるとすれば、単に福島原発を廃炉に出来るか
否か、という問題ではなくて、極端にいうと、このまま、この国に住んでいてよいのか?
という話になると思います。
◆このまま、日本に住んでいていいのか、という問題だと思います。
あまりにも問題が深刻すぎて、眩暈がするほどです。
しかし、ニューズウィーク日本版の記事を信じるならば、
最悪の場合、メルト・スルーして、地面をどんどん沈降していく核燃料が、
地下水を汚染し始めたら、直接核燃料が、地下水に触れるのですから、
猛烈な汚染が、拡がるはずです。日本中の地下水脈が全部繋がっているのかどうか分かりませんが
最悪の状況を想定するならば(それが危機管理の基本です)、やがて日本中の地下水、土壌は、
猛烈な放射能で汚染され、長期的には、ガンの発症者が増えることでしょう。
最早、日本で獲れた、農作物も畜産品も、魚介類も汚染されると考えるべきでしょう
私はもう、半世紀以上生きましたし、今まで、日本の原子力政策に全く関心を持たなかった。
そのために選挙における投票行動により、、原子力を推進する政党に政権を取らせていた、という
ことになり、議会制民主主義の原理から考えて、今の状況を招いた責任があります。
原子炉が日本中に54基も建つのを、傍観していた、ここ半世紀の全有権者に、
その責任があります。
だから、私は被曝しても、自業自得ですが、この間、投票権の無かった子供には責任は無い
のですから、若い世代は守る責任がある。
先日亡くなった、小松左京氏の代表作、「日本沈没」は、日本列島が火山活動の極端な
活発化により、「物理的に消滅する」という話です。
そのことが、避けられない現実であることが分かり、日本政府は
最も有能な外交官を世界の主な国に派遣して、全日本人を移住させるべく
「難民」として受け入れて欲しい」と依頼して飛び回る、という場面があります。
福島原発事故で、日本列島が物理的に消滅することは無くても、人が住めなくなる
可能性を考慮すると、実は、悪夢の用ですが、「日本沈没」と同じ事を考えなければ
ならないのでは無いかとおもいます。放射線を無効化する技術を人類が発見しない限り
論理的に、そういう結論になると思うのです。
◆日本国存亡の危機より「民主党代表選」が大切な馬鹿ども。
メディアのトップニュースは、リビアのカダフィ大佐がいよいよ追い詰められているという
話と、民主党代表選に、前原前代表が出馬する、と言う話が「ニュース速報」で表示されます。
あまりのくだらなさに、またまた眩暈がします。民主党も政界全体も、メディアも馬鹿です。
民主党の代表が誰になっても、放射線を無効化することは出来ません。
福島原発の状況は変わらないし、責めて復興支援をもう少し速くとか言いたいですが、
あの民主党の連中の顔を見ていると、
東日本大震災があったことを覚えてますか?
と、訊ねたくなります。
本音では多分、あの連中、被災地や福島原発の現状など、
「どうでもいいこと」なのでしょう。
あいつらにとって、一番大事なのは、次の衆院選で何とかもう一度当選して、
今と同じ、美味しい思いを享受することなのです。
代表を誰にするのか、に関してひじょうに真剣なのは、
現状、とにかく何事もすべて「菅直人が悪い」というような滑稽な世論になっている。
菅直人が代表のままでは、民主党員である、と言うだけで多分選挙で落選するから、
せめて、ダメージを最小限に食い止めたい、と、それしか考えていないからです。
いくら言っても無駄でしょうが、そんなことより、今、この瞬間も放射性物質を撒き散らしている
福島原発の核燃料をどうするか、にかんして、政党なんかどうでもいいから、専門家を呼んで、
ありとあらゆる世界中の専門家の意見を聞いて、国権の最高機関としての役割を果たして欲しい。
どうしようも無い、という結論ならば、真面目に、前段に書いた、全日本人移住大作戦を
考えるしか、方法はないのではないでしょうか。
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