JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆「週刊新潮」最新号(6月2日号)に載っていました。27日(金)来日している筈。 のっけから、話が逸れて恐縮ですが、週刊新潮の全てが良いとは言いませんけれども、 日本で演奏会を開くのに全く支障がないことを私が証明する。 と、急遽、来日を決めたそうです。東日本大震災の翌々日、いつも招聘する音楽事務所に 「大丈夫ですか?」とFAXを送ってきて、その後電話で ギャラは要らないから日本で演奏したい。状況が許せば被災地を訪れ、音楽を届けたい。 と言ってくれたそうです。 ギトリス氏は、「そこらの」ヴァイオリニストではありません。 13歳でパリ音楽院で「1等賞」(パリ音楽院は試験で「1等賞」を獲らないと卒業できない)を獲得し、 もうベテランなんてものではないですね。文字通り世界的なヴァイオリンのソリストで、 ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、フィラデルフィア管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、 N響、イスラエル・フィルなど、一流オーケストラにソリストとして呼ばれる名人です。 そういう芸術家がノーギャラで良いから被災地で演奏したいと。 何とも嬉しく、有難い話です。 ◆確定情報不明ながら、6月1日には被災地、石巻市で弾くはずです。 これは、無料コンサートなので、普通のコンサート検索では分からないのですが、 6月1日に、避難所になっている宮城県石巻市立女子高を訪れ、無伴奏で演奏の予定です。 とのこと。 その後、「6日に名古屋、10日では東京でチャリティー・コンサートを開く」とありますが、 「ぶらあぼ」のコンサート検索では、今のところ、東京だけ表示されます。 イヴリー・ギトリス ヴァイオリン<イヴリー・ギトリス&フレンズ 東日本大震災・復興支援のためのチャリティーコンサート> ということですが、詳細は、ご確認下さい。 ◆昨年12月に「ギトリス特集」記事を書いたのです。 最初にこれを書くと、本記事の主旨から外れるので一番後にしましたが、 2010.12.19 【音楽】イヴリー・ギトリスというヴァイオリニストの小品集です。 そこに何曲か載せてあります。 とにかく、個性的というか「個性的」を通り越してまして、今の若いヴァイオリニストの演奏では絶対に聴けない 演奏です。ちょっと聴くと分かりますが、常にテンポ伸び縮みするのです。 奇を衒っているのではなく、ギトリス氏にとっての「自然な歌い方、弾き方」をすると どうしてもこうなってしまうのでしょう。 だから、伴奏のピアニストは大変です。余程馴染みか、天才的に勘が良い人でないと ギトリスの伴奏はできないと思います。 引用元のCDは、プレミアム・ツイン・ベスト チゴイネルワイゼン~ギトリス~ヴァイオリン名曲の至芸です。 エルガー:愛の挨拶 Elgar Salut d'amour 余りにも有名ですけど、これほど、テンポが変わる人いないですね。 次も非常に有名なクライスラーの「美しきロスマリン」ですが・・・・。 クライスラー:美しきロスマリン Kreisler Schoen Rosmarin 最後は前回も載せたのですが、極限的なテクニックです。 バッジーニ:妖精の踊り Bazzini La Ronde Des Lutins ギトリス氏のヴァイオリンはこのように、個性的=ものすごくクセのある演奏で、 人によって、好みがわかれるところだとは思いますが、これほどの演奏家が、自ら、 ノーギャラで良いから日本へ行き、危険があるかもしれない被災地で弾きたい、 チャリティー・コンサートを開きたいと申し出てくださるのは、 まことに有難いことで、それはクラシック音楽がすきだろうが、なかろうが、 日本人として感謝すべきなのです。 石巻の被災者の方々が、ギトリス氏のヴァイオリン演奏を楽しまれることを 祈って止みません。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2010年05月27日(木) メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の初演でソロを弾いたヴァイオリニストが書いた「トロンボーン小協奏曲」
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